テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
おはよー、おはよー。
周りから朝練後の生徒たちによる元気な挨拶が聞こえてくる。
休日に起きた出来事や今話題のニュースなど、様々な話題で盛り上がっている中、俺声をはそそくさと教室に向かう。
前の席替えで最後尾窓側席という陰キャの味方すぎる席を引いたため、教室の自席でぼーっと空を眺めるという趣味を朝からずっと続けるために早く行こうと企んだのだ。
今日は雲3割…っていったところだろうか。などと考えながら教室に向かい、自席につく。
朝練終わりの生徒…、言い方を変えると俺の天敵である陽キャたちが続々と教室に入ってくる。
やっぱあっちーな最近!などと話しているが、今は秋から冬にかけてくらいの季節だ。暑いわけが無い。やはり分かり合えない……。
しばらく時間が経ち、生徒たちがほとんど集まった。チャイムと同時にガラガラと教室の扉が開かれる。
陽キャたちから「じっちゃん」と呼ばれている担任のおじいちゃん教師がゆっくりと部屋に入ってくる。
「えー、では今からHRを始めたいと思います。起立」などと言う。皆もそれに従い、おはようございまーす!と元気よく朝の挨拶を行った。
まぁ……俺は小声で呟いただけだが…。
早く家に帰りたい…、と考えながら俺はまた外に目線をやった。
挨拶が終わり、皆が着席したあとにじっちゃんは気だるそうに口を開いた。
「みなさんも知っていると思うのですがー、明日からは5年に1回訪れる、“霊月”と呼ばれる月になります。」
「心を惹かれる音色が聞こえても“決して”近づかないようにお願いしますね。」
俺は殆どじっちゃんの言うことを聞いていなかったが、周りの生徒がヒソヒソと話し始めたことで少しだけ不信感を覚える。
「なーなー知ってるか?霊月って謎の幽霊が俺達人間を誘惑しに来る月なんだってー」
「えー、そんなん嘘に決まってるじゃん笑」
「いやいやいやいやマジなんだって!霊月になると行方不明になる奴が増えるらしいぜ?」
「ええ…、それガチなら怖すぎるんだけどやめろって!!笑」
霊月…、もうそんな季節か…。これマジで洒落にならねえんだよな。あと幽霊じゃねえよ、音の精霊だよ。とつっこみたくなったが口には出さないことにしよう…。
実際俺の姉貴も霊月に誘惑されて主従関係結ばされてたしなあ……。
姉貴が幸せならいいんだけど……、
ーー
それ以降はスラスラと授業も進み、昼放課になった。
皆が持参した弁当や購買で購入した昼食を雑談しながら食べる中、俺は1人で体育館裏へ向かった。いわゆるぼっち飯だ。 ああ、なんて可哀想な俺…とかいう冗談はさておき。
俺はイヤホンをつけ、小さい音量で音楽を流しながら母が作ってくれた弁当を少しずつ食べ始めた。
弁当美味いよ母さん。やっぱ俺は母さんの作った弁当が1番好きだ……
なんて考えながら食べ進めていると、優しい声色で話す声が聞こえた。
「……あんさん……、今1人なん?」
友達呼んでんのかな…
まあ俺には関係だろうし…、てか俺に話しかけてくる人なんていねえし……泣
「…え、聞いてる?」
・・・
「え、大丈夫?」
そう言ってその声の持ち主はポンポンと俺の肩を叩いた。
「ゔっ、ゔわぁぁっ!?!?」
そう声を荒らげ、俺は思いっきり後ろに下がる。
……初対面でこれは嫌われるだろうなきっと
「だっ…、大丈夫か!?」
「ああ…だ、…大丈夫…です…」
非常に気まずい。目を合わせられない。
話しかけてこないで怖いよ誰か助けてどうしたらいいんだよ初対面の人と普通に話すとか陽キャのやることだぞ…
「急に話しかけてしもうてほんまに申し訳ないわ…、その、盛大にコケとったけど怪我とかない?大丈夫か?」
「だ、大丈夫ですっ…!!お気になさらず…」
え、バカ優しいじゃんこの人何が目的??
いやでもこんなやつと話すの嫌だよな…、せめてここは愛想良く、不快な思いをさせないようにしなければ……
「とっ…、ところで何かありましたか…?」
「ああせやな…言うの忘れとったわ。あんさん見た感じ1人っぽいし、良ければ俺らと飯食わへんか?」
俺“ら”だと???
陽キャすぎんかこの人俺みたいなやつと居たらだめだろ絶対
いやでも断れねえ……、
「別にいいんですけど……、な、なんで俺なんですか……」
「みた感じ1人ぽかったし…、一緒につるんどる奴らが奇数やし良ければどうかなって思って?」
「友達待ってるとかやったら全然大丈夫なんやけど…!!」
待ってないです、そんな友達いないです。
俺の友達はゲームと漫画だけです……
「い、いや人待ってるとかでは無いですけど…。お友達の輪の中に俺が入っちゃって大丈夫なんですか……?」
「あいつらそんなこと気にせんから大丈夫や!!安心しい!!」
「ま、まあそれならいいんですけど……」
「よし、なら俺についてき!!」
そう言った後に俺の手をひき、目的の場所に彼は連れていこうとした。…え、この人初対面にグイグイ来すぎでは…?
やはり陽キャ、格が違う。
ーーー
急に話しかけてきた彼に連れられ、俺たちは体育館に付属している小さな倉庫前まで移動した。
「お~いロボロ、遅ぇぞお前ェ~笑」
rb「すまんすまん遅れてしもたわ」
人多ッ。ざっと7人以上はいる……むり……
「そーいやロボロ、そこの人誰?」
「知り合いなん?」
片目を隠した人と低音イケボ系女子が俺を指さす。
やめろ、こっちを凝視しないでくれ。
緊張しすぎてなんも話せんし微塵も動けん。
rb「1人で飯食っとったから連れてきた」
「エッ」
「ロボロさん…そういうとこですよ」
rb「何が!?」
ーーーーーーーーーー
切るとこどうにかしろ定期。
ごめんなさい、慣れなさすぎてこういうことこれからも多々あると思うんです……
……長いですかねコレ