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少年は、広場の隅で棒のように立っていた。迷子なのか、または引き取るべき子供なのか、事情を聞く必要もあった。
「おい、大丈夫か」
少年は綺麗な赤い瞳を見開いた。
「何か困ってることがあるなら言え」
「…関わってくんな」
少年は大きな目で睨んだ。殺意を感じた。
「悪いな。私は素直じゃないから従えないな」
連れていくために、私は少年の肩を掴んだ。そして、沢山の情報が触れた所から脳に流れてきた。
「お前…」
私は少年を睨んだ。同じように少年も私を睨んだ。
「なぜ、よその者がここにいる?」
私は手から長い棒を生み出した。普通は剣だが、相手は子供で事情も聞いていなかったのだ。可哀想だと思ったから、ただの長い棒にした。
「…はぁ…だから関わるなって言ったじゃん」
「質問に答えろ。でなきゃ吹っ飛ばすぞ」
「勝手にすれば?」
私と少年は睨みあった。ただ静かに、睨みあった。長いことそうしていた。
「姉さん、こんなところで何をしているんです?」
双子の妹がやってきた。少年の方を向いて、1歩近づいた。少年は1歩下がる。
「坊や、どうしましたか?」
「うるさい」
「…こいつ、よその奴なんだ」
私は事情を説明する。頭脳は悲しいながら、妹の方が優れていた。
「何も、武器なのか分からないしょぼい武器で脅す必要はないでしょう?」
「お前は息をするようにひどいことを言う…」
「少なからず、あちらの星に返すべきです」
「ただな。何かを企んで来たなら、大人しくしてられないだろ。」
そう思って少年の方を見ると、そこには誰もいなかった。
「くそ!逃がした!逃がした!」
「見たら分かりますから子供のように叫ばないで下さい」
「くそ…何かやらかした気がする…」
「まぁいいんじゃないですか?姉さんは強いですから」
こいつはいつもいつも…
私をなんやかんや褒めてくれる!!
さすが妹だ!はっはっはー!
「姉さん、顔が気持ち悪いです」
「なんだと!?」
少年の赤い瞳が忘れられなかった。何を考えているか分からない、呆然とした目。これから、何か起きるかもしれない。そんなことを考えていた。
「リンネ様、ピュノン様、お時間です」
振り向いた。これから、城に戻るのだ。
「姉さん、今日も研究を?」
ピュノンが、顔をしかめて言ってきた。研究を始めると時間を忘れてしまう。だから毎日、こいつには迷惑をかけている。
「…当たり前だ。地球に行くために、な」