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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

47 - 第三章 ときめきの甘い恋を、あなたに EP.1「貴仁さんとの初デート」④

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2025年01月16日

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──改めて彼と会う段取りが整い、いざ普通のデートをとは思ってみたけれど、果たしてどんなプランがいいのかなと考えあぐねた。


(……うーん最初は、ショッピングモールを巡る、お買い物デートとかはどうかな?)


モールならいろんなお店があって、彼の好きなものもわかるかもしれないし、そこからまたインスピレーションも湧いてきそうだから、とっかかりとしては意外と悪くないように思えた。


彼に大型ショッピングモールに行くことを伝えて、最寄り駅や待ち合わせの場所をSNSに送ると、「待ち遠しいな」とメッセージが返ってきて、デートに行く前から否応なしにときめかされてしまった。


やがて当日を迎えて、時間通りに約束したスポットへ向かうと、既に彼が待っていた。


「あっ、お待たせしちゃいましたか?」


駅近くの目立つモニュメントの傍らに佇む貴仁さんに、足早に駆け寄り声をかける。


すると彼は軽く首を振り、「いや私が、早く来すぎてしまったんだ」と答えて、「……楽しみで」そう照れたように一言を付け足した。


そんな風なやや伏し目がちな照れ顔なんて見せられたりしたら、のっけから胸がキュンとさせられるみたいだった。


「……こういうのもいいものだな」


並んで歩き出そうとすると、ふとそう呟くのが聞こえて、「何がですか?」と、首を傾げて訊き返した。


「いや、デートの待ち合わせの経験なども、あまりなかったものだから」


「えっ、そうなんですか?」と、一瞬びっくりしたけれど、そういえば彼は、お付き合い自体があんまりなくてと話していたから、それもそうなのかもしれないと思い返した。


「相手を待つだけのことに、これほど緊張するとは思ってもみなかった。仕事のアポイントでは、そんなことなど全くないのに」


そう真顔で喋る彼に、ふふっと笑みがこぼれてしまう。


「デートと仕事では、やっぱり気持ちの高ぶり方が違いますから。だけど貴仁さんが、緊張して私を待っていてくれただなんて、なんだか嬉しくて」


彼の純粋さに引かれて、自らの口からも『嬉しくて』と思わぬ本音がこぼれた。


「ああ、そうだな……。私も嬉しくて……それで、やけに早く目が覚めたのだろうから」


そんなことを照れたような笑みを浮かべたままで言われたら、ますます胸が高鳴ってきそうで……。


貴仁さんってなんていうか、色男張りにイケてるクールな外見なのに、実はデートの経験があまりないようなウブな人だなんて……。



こんなの、ドキドキさせられない方が、絶対おかしいよね……?


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