「は、はじめまして…」
「おぉー、話せる話せるー」
棒読みで笑いながらカディルドは言う。フォルラの中の夢輝は思った。
(さてはこいつ腹黒だな?)
笑ってるが、感覚でわかる。笑ってない。それほど、自分に興味がないか、それか人全体または家族以外そのまたは女自体に興味がないかのどれかであると推測した。
(なんか、イケメンだから疲れてんのかね。そこらへんの女どもに言い寄られてんだろうな。それよりも……)
「キャナ…テラス……」
「あぁ!そうでしたね!ではヴェレク様方申し訳ございませんが、フォルラ様は今体調が健全ではないので、テラスは連れてゆきます」
「体調悪いの?抱っこしてあげようか?」
カディルドが聞いてきた。
(いや、いい!腹黒に抱っこされるのはちょっと無理!そもそも男じゃん!男苦手だから無理!)
ブンブン!
首を”横”に大きく降った。カディルド達は…
「…………………」
目を大きく開いていた。キャナは普通だった。
(な、なに?!なんか悪い事したっ?!……あれ?……)
「…そ、そっか、嫌か。ごめんね。引き止めて悪かったね、キャナ?さんもう連れて行っていいよ」
「えぇ、こちらも急にすみません。また後日」
「…………」
「お嬢様大丈夫ですか……?…………?!」
キャナが聞いてきた。でも………
「お嬢様!?……お嬢様?!しっかりしてください?!」
元々へたりこんでたからか、倒れることなくそのまま気絶をしてしまった。
(やべぇ、気持ち悪ぃ、今にも吐きそうだ……でもそれよりも今は眠い……)
その時はただ寝た。
「お嬢様?!お嬢様!?しっかりしてください!?」
「「「「…?!?!」」」」
兄達が全員見た。
「どうしたの?!」
「お嬢様の意識が!!」
「今すぐ部屋へ運べ!通路を確保しろ!」
「ドラズ、君は医者を。オバロ君は父上と母上に知らせてきてくれ」
「わかった!」「了解!」
「キャナさん、運べる?」
「はい、運べます!」
「わかった。道は私達が誘導する。転ばないように」
「はいっ!」
「行くぞ」
……このパーティーの主、フォルラが気絶してしまったので、パーティーはお開きとなってしまった。
「お話をすることはできませんでしたね」
「挨拶が限界って大丈夫か?あいつ」
「オバロ兄様、あいつ呼びはやめてくださいよ。せめてフォルラと呼んでください。妹ですよ?」
「あ~はいはい、フォルラなフォルラ」
「はぁ‥‥‥‥」
「いつもあんな感じなの?」
「一緒に居始めて、最初こそあんな感じでしたね。オドオドしたり、小声だったり。でも、一緒にいるうちに慣れてくれたのか、普通に笑ってくれたり、話してくれたりしてくれますよ」
「そう………」
「恐らくですが、フォルラは初対面の人とか苦手なんだと思いますよ。そして、大勢とか」
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