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私はよく考える。相手の気持ちを考えずに日々生活できるのであればどれほどに幸せなのかと。私は嫌でも考えてしまうのです。今の言葉で相手を傷つけてしまったか、今の行動が苦に感じなかったか。嫌でも考えてしまうのです。そうして私の頭の中で反省会が始まり鬱々としてしまう。しまいにはベッドの中で虚無を見つめてしまう。最悪自分の体からこの苦を少しでも逃がせないかと穴を開ける時だってある。ダメだと分かってはいます。ですが、人間に対して私の話をするのが怖くて仕方がないのです。
とある日まだ幼き頃、私の気持ちについて友に打ち明けたことがありました。今の状況が辛いと、少しでも早く抜け出したいと。そこで止まれればきっと今でも幸せだったと思います。私は言ってしまったのです。あの人が嫌だと。友はいいます、
「そうかそうか。それは辛かったね。私がいるから安心なさい」
と。私はバカでした。この言葉を信じてしまったのです。後日、友は私が嫌だと言った人物に私が言った事を伝えたのだと知りました。本当にバカだったと思います。この先どうなるか後先考えずに話してしまったのですから。きっとこの頃から人としてダメになったのだと思います。皆さんはそのような経験はありますでしょうか。私はない事を願います。この日をきっかけに私の人生は大きく変わったように感じました。人の目や声色、目線全てをその場で読み取り考えてしまうようになりました。とある日は一喜一憂し、とある日は内容が頭に入らないそのような日々が続きました。そして気づいたのです。これは人のあるべき姿なのかと。答えを探すべく近代文学を読み漁るようになりました。夏目漱石のこころや江戸川乱歩の二銭銅化、三島由紀夫の金閣寺。とある日ある一冊の本と出会いました。かの有名な太宰治の人間失格です。読むにつれて主人公が堕落していく様を見ていると段々と不安に感じてきました。私もこうなってしまうのかと。このままでいいのかと。読んだその日自分の体に穴をあけました。そして自分に問います。お前はどうしたい、なにになりどのように終わりを迎えたい。穴はただ赤い汁を出すばかりで答えてはくれません。諦めて、問いただすようにまた穴を開けるのです。
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こはる
コメント
1件
イヴさん、第1話読みました。主人公の「人の気持ちを考えすぎてしまう」繊細さと、幼い頃の友達への信頼が裏切られた傷が、その後の人生観や自己破壊的な行動にどう繋がっているか、とても丁寧に描かれていて胸が締め付けられる思いでした。「人間失格」を読んだ後に穴を開けてしまうシーン、言葉にならない苦しさがひしひしと伝わってきます…。この先どうなっていくのか、気になりつつも不安な気持ちです。