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#溺愛
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「君、前から受付に居たっけ」
「今年からです。前は庶務で……あ、いえ、庶務課におりました」
言葉が崩れてしまったのは、脳内では、なにか粗相でもしたのだろうかとテンパっていたからだ。
イケメンに見つめられるのって、こんなに心臓に悪いんだ。
笑ってくれてるならまだしも、鋭い目つきで見つめられたら、まるで怒られているみたいで。
目をそらしちゃいけないと思いつつ、緊張に負けて伏せてしまった。
「あのさ」
何を言われるんだろうと、内心ヒヤヒヤする。
怒られる前に謝るべきか、と大きく頭を下げたところで、エレベーターが到着する音がした。
「お待たせしました、深山様。こちらへどうそ」
来たのは、有沢さんだ。
本人が迎えに来るのは珍しいので、私は驚いて彼女を凝視してしまった。
深山さんは、すぐに有沢さんのほうへと向きなおり、さっきまでの怪訝そうな顔はどこへやら、口元に笑みを浮かべて、「やあ、有沢さん。いつもお世話になっております」と彼女に挨拶をする。
そのままふたりはエレベーターに乗っていってしまった。
「なんだったんだろ」
私はひとり、途方に暮れる。まだ朝の十時だというのに、ぐったり疲れてしまった。
コメント
1件
第3話、読んだよ! 深山さんの「君、前から受付に居たっけ」の鋭い視線、めっちゃ怖かった……でもその後の有沢さんの登場で空気が一変する感じ、すごくリアルだった。主人公が「謝る前に謝るべきか」って頭下げるところ、めちゃわかるわ。新人のビクビク感が滲み出てて、思わず「あるある」ってなった。 こういう日常のヒリヒリしたやり取り、好きだな。続きが気になる!