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【第2部】最強転生者はもふもふスローライフにしがみつく!

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【第2部】最強転生者はもふもふスローライフにしがみつく!

49 - 【第3章】2-36. 新しい仲間もいるので生活スタイルが少し変わってきた(1/4)

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2023年08月05日

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4人が増えてから数日が経つ頃。ムツキの部屋では彼が猫に包まれて幸せそうに眠っていた。紫の上下のパジャマは今日も猫の毛塗れになってしまうが、彼はさほど気にした様子もなく、むしろ嬉しそうにしている。


「はー……モフモフに囲まれる幸せ……」


「にゃー」

「にゃ」

「にゃあ」

「にゃーん」


「幸せだなあ……」


 ムツキは半分以上まどろみの最中、笑みで顔が崩れっぱなしである。猫たちもその声に安心しているのか、余裕のありそうなゆったりとしている。


 しばらくして、ノックの音がして、ナジュミネがゆっくりと入ってくる。彼女はまだ着替え終っておらず、赤のタンクトップにパステルピンクのドルフィンパンツという際どい格好で現れた。


「おはよう、旦那様」


「にゃー」

「にゃあ」

「にゃ?」

「にゃ」


「ん? あー、ナジュか。おはよう。一緒にどうだ? 猫に包まれる快感は一度味わうと中々癖になる」


 猫の背中に顔を寄せて、深呼吸をするムツキはその発言も伴ってどことなく怪しげな感じである。ナジュミネは彼を見て、少し困ったような笑顔を見せていた。


「ふむ。あの、その、それも魅力的だとは思うが……妾とも添い寝をしてくれないか?」


 ナジュミネがモジモジしながらも甘えてくるので、ムツキは少し目が覚めた。彼女は完全に彼と2人きりの時はすごく甘々に甘えてくるのだが、周りに誰かがいる場合は、素直になりきれない。しかし、今日は一味違っており、猫たちがいてもすぐさま甘えてきたのだ。


「ん? ナジュは相変わらず甘えん坊さんだな……もうそろそろ皆も起きるから、ちょっとだけだぞ? 順番だから、皆には内緒だろ?」


 ムツキと夜から朝までいられるの女の子は順番が決まっており、だいたいその順番通りに回っている。さらに、ハーレムも増えたので、1人ずつでは回しきれなくなったため、2~3人が同時に来ることも増えていた。


「……ありがとう」


「大丈夫だ。ほら、おいで……えっ!?」


 ムツキがナジュミネを招き寄せようとすると、衝撃の光景が目の前に映る。扉からまたナジュミネが入ってきたのだ。


「お、おはよう、旦那様。……む。そこにいる妾は誰だ!」


「む。妾は妾だ。そなたこそ何者だ!」


「え? ナジュが2人?」


 ムツキは驚きつつも目星がついた。メイリか、キルバギリーかである。


 メイリは変化の術という黒狸族特有の特殊な魔法を覚えており、ほとんど本人と言えるくらいの精度で化けることができる。一方のキルバギリーは偽装モードがあり、このモードは使用者であるサラフェに限らず変身することができる。


「妾が本物だ!」


「何を言う! 妾が本物だ!」


「うーん。どっちも本物に見えるぞ……」


 ムツキは既に数回程度、このように試されている。夜にも試されて、判別がつかないなんて! と、理不尽なお叱りを女性陣から受けることもある。なお、女性陣も彼女たちの変化や偽装を見破ることはできないのだから、理不尽さはより一層強い。


「旦那様なら分かるはず!」

「旦那様なら分かるはず!」


「何度も試されているが、見分けがつかないな……」


 ムツキは焦り始める。どこからどう見ても、2人ともナジュミネである。尻尾が出ているとか、少しロボっぽいとか、そういう分かりやすいうっかりをしてくれない限り、彼にこの問題を解くことはできない。


「むむむ。妾への愛はその程度なのか」


「旦那様、見損なったぞ!」


「ちょ、ちょっと待ってくれ」


 ムツキはさらに焦り始める。このままでは理不尽お叱りコースになる。それは避けたい。ナジュミネは彼への愛ゆえにお叱りもとても厳しいのだった。


「しかし、まじまじと見られると、なんだか少し恥ずかしいな」


「むむ。まあ、どちらかは分からぬが、間違いないな。こう、旦那様に見つめられると、ドキドキしてしまうな」


「うーむ……」


 ムツキがまじまじと見つめるも、髪もまつ毛も瞳などの細かい部分にも違いが見当たらない。あまりにも彼が困っているので、最初に来たナジュミネが恥ずかしそうに口を開く。


「むむ。まだ分からぬか。し、仕方ない。匂いや肌触りを確かめてみてもよい」


「むむ。触るのはともかく匂いだと? そのようなことを本物の妾が了承すると思っているのか?」


 後から来たナジュミネは少し驚いた後にそのように告げると、最初に来たナジュミネは自信たっぷりな表情へと変わる。


「もちろん、普段はな? しかし、状況が状況だ。そして、その焦りよう……つまり、匂いまでは真似できないということか」


「何? 妾が本物だぞ。真似も何もない! 肌触りは触ってもらえて嬉しいが、匂いはいくら旦那様でもちょっと……」


「妾は旦那様に全てを捧げているのだ。旦那様になら、匂いを嗅がれようと何の問題もない!」


「むむむ。そこまで言われて引き下がる妾ではない! 旦那様、好きに確かめるがいい」


 ここでムツキは何かに気付く。


「分かったぞ!」


「さすが、旦那様!」

「さすが、旦那様!」


 2人のナジュミネは息ピッタリにムツキを褒めた。

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