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「───あ゙~・・・、飲みすぎた・・・」
時刻は午前0時を少し過ぎた頃。
会社の飲み会で遅くなり、街灯もまばらな住宅街をフラつきながらも一人で歩く。
・・・どうせ送ってくれるようなイイ男はウチの会社にはいないし。
「・・・明日絶対二日酔いだなコレ」
休みなのがせめてもの救いだ。
自宅アパートまであともう少し。
( ・・・ん? )
そこの、ゴミ捨て場。
人のような、ゴミ・・・?
人形か何かが乱雑に放り込まれている。
・・・不気味だ。ホラーは得意じゃないんだけどなぁ・・・。
( 明日ゴミの日だっけ、 )
「・・・うぅ゙~、メシィィ・・・」
「ひッ、」
人だわ!ゴミのような人だわコレ!
自分から聞いたことないような声が飛び出し、その場から飛び退いた。
未だゴミ捨て場でうなされるその人にそーっと近寄る。
「あの、大丈夫ですか?」
「あ゙~・・・」
「・・・おーい、聞こえてますか」
「腹減ったァァ・・・、メシィィ~」
「・・・ご飯、食べます?」
「いいのか!?」
「ぅわお、」
困ってる人を放っておけない性分だからか、言ってしまった一言。まぁ後悔はない。
“ご飯” に反応して飛び起きてきたのは、まだ十代くらいの可愛い顔した男の子。左目の下に傷がある。
「残り物でよければ、だけど」
「なんでもいい!腹減って死にそうなんだよおれ~・・・」
「そ、そう。
ちょっとそこで待っててね、お姉さん今酔っ払ってるからさ」
フラつく足で階段を登り、玄関でパンプスを脱ぎ散らかしてキッチンまで直行。
とりあえず水を一杯飲んでから冷蔵庫を開け、作り置きのおかずとご飯をレンジにかける。
自分もちょっとつまみ食いしながら、おにぎりとおかず、コップにお茶を入れて、脱ぎ散らかしたパンプスはそのままにサンダルを履いてゴミ捨て場に戻った。
「こんなんでよければ、」
「メシィィ!! いただきまーす!!」
「ちょっ、静かに!」
よっぽどお腹が空いていたのかあっという間に平らげ、お行儀よくごちそうさま、と手を合わせた。
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