ここは昆虫の国「インセクトランド」!沢山の昆虫たちが暮らしていますよ!あれ?アクセルと妖精の私が何か見つけたようですね。木の上にある樹液です!
ヘラクレスオオカブトのガブリエル、オオクワガタのオオクワガタのラファエル「わぁ!」
ギンヤンマのアクセル「な?二人が好きそうな樹液だろう?」
ラファエル「うん!ありがとう、アクセル、未来姉ちゃん!」
アクセルと私は手を繋ぎながら笑い合いました。
ヘラクレスオオカブトのガブリエル「だが、一人分しかないな・・・」
「ごめんなさいね!他の木の上の樹液探しても見つからなかったの!でも仕方ないわよ。ガブリエル、ラファエルと一緒に仲良く半分こで飲みなさいな」
争いや勝負などを嫌う私が苦笑いを浮かべて謝罪して声をかけました。
ラファエル「おいら欲しい!」
ガブリエル「俺様だって欲しいさ!」
ガブリエルとラファエルは見つめ合い火花をバチバチ言わせました。
アクセル「お?バチバチだな、二人とも」
「ふ、二人ともライバル気取りはやめてくれる?」
私はこの光景を見て悲しみな悩みが生まれ俯き始めました。アクセルは私が落ち込んでいる事を気付きませんでした。
ラファエル「勝負だ、ガブリエル」
ガブリエル「ふん、望むところだ!」
アクセル「見合って見合って・・・!Go‼︎」
私は応援出来ずに悩み苦しんでいます。
アクセル「お?おおお?どうなるどうなる⁉︎」
ガブリエル「甘い!」
ガブリエルは、大きなツノを使って、ラファエルを持ち上げたのです!
ガブリエル「どうだラファエル⁉︎」
ラファエルは勝てるはずもなく、投げ飛ばされてしまいました。私は泣きそうな顔でラファエルとガブリエルを見て驚きました。
アクセル「ガブリエルの勝ち!ラファエルも惜しかったな!」
ラファエルはショックを受けました。
「樹液の勝負とても怖いし苦手なタイプよね・・・」
私は深く困り果てながらラファエルたちから離れて行きました。
ラファエルが木に登ると新しい樹液が現れました!
ラファエル「あった!樹液だ!」
すると奥の木に先を越されたガブリエルが!
ガブリエル「ラファエル!」
ガブリエルがやる気満々に声をかけました。
ラファエル「ガブリエル!今日も勝負だ!」
ガブリエル「ああ!いいとも!」
ガブリエルとラファエルは睨み合うと、風が吹いてきました。
そしてガブリエルとラファエルは飛び上がって、樹液を前にぶつかり合いました。ラファエルはまた投げ飛ばされました。
ガブリエル「また俺様の勝ちだな!」
ラファエルはあまりの悔しさにため息をつきました。
「ラファエル!」
私が飛びだしてきました。
ラファエル「未来姉ちゃん?」
「え?なんでもないわよ。それより大丈夫?痛くない?」
私は苦笑い浮かべて慌てて言いました。ガブリエルはラファエルの後に私の様子がおかしいことに気付きました。
アクセル「なあなあ、ガブリエル!」
アクセルは椰子の葉を持っています。
ガブリエル「ん?どうした?」
アクセル「あれまたやってくれよ!ラファエルとの勝負!俺楽しくってさ!」
アクセルは私と対照的に勝負に興味を持っているようです。草村で、ラファエルと元気がなく下向きっぱなしな私がやってきました。もう我慢の限界に近づいたのです!
アクセル「お、未来ちゃんも来た来た!さあ勝負勝負!」
ガブリエル「どうする?やるか?」
ラファエル「ううん、おいらやらない・・・」
「ガブリエル、アクセル・・・・・・」
私が下を向いてブルブル震えて両手を握りしめています。
ガブリエル「どうしたんだ未来ちゃん?」
アクセル「怒ってるのか?」
私は顔を上げると涙がこぼれています。
アクセル「あ・・・泣いてるのか?」
ガブリエルとアクセルは驚いて顔を見合わせて私を見ました。
「二人とも、酷いわ!」
アクセル「未来ちゃん、どうしたんだ?」
「さっきから私が樹液一つしかないのなら半分こにして飲みなさいって言ったのに、なぜ私の言う事聞かないで勝負ばっかりするのよ?樹液を独り占めしたいから⁉︎ライバルみたいにバチバチですって⁉︎勝負して友達を巻き込まないで(ToT)」
私がガブリエルとアクセルに泣き叫んで背を向けて走り去りました。
ガブリエル「おい、未来ちゃん!」
アクセル「樹液を独り占めとは関係ないぞ」
ラファエル「未来姉ちゃん、待てよ!さっきから落ち込んでたなら理由を聞かせてくれよ!」
ラファエルは私が号泣で逃げた後を追いかけました。
ガブリエル「おい、ラファエル」
アクセル「未来ちゃん泣いてたな・・・勝負止めたかったのに悪いと思って言えなかったんだろうな」
ガブリエル「未来ちゃんの気持ちちゃんと聞いてれば良かったな。俺様たちあの子に謝らなきゃな」
アクセルとガブリエルは私を悲しませた事を思い出し、私に謝る決意をしました。
てっぺんの木があるところまで逃げて泣き崩れている私の隣には夏に咲くたくさんのひまわりが!
追いかけてきたラファエルが私の隣に座りました。
ラファエル「未来姉ちゃん!」
ラファエルが声をかけても私は泣くばかり!
ラファエル「未来姉ちゃん、なぜ泣いてるんだ?」
私は泣きながらこれまでの事を打ち明けました。
「私、実は・・・ガブリエルとラファエルの樹液を巡る勝負がとても怖くて嫌なのよ。友情同士が争う姿見たくなかったのよ!」
ラファエル「勝負が?」
「そうよ。私、本当は勝負を止めたかったのよ。だから喧嘩や争い、戦いとても嫌いで逃げたの。二人で半分こで飲んだり、新しい樹液見つかるまで我慢するとか、誰かに譲るしかない事を教えたかったのに・・・」
私は泣きながら涙を拭います。
ラファエル「おいらとガブリエルの勝負を止めたかったのか・・・」
私は泣き泣き頷きました。
ラファエル「未来姉ちゃんの言う通り、おいらももう良いんだ。どうせおいらじゃガブリエルに勝てないと思ってたんだ」
「そうなのね。勝負やらないって言ってくれてありがとう」
私は泣き続けました。ラファエルは私の背中を優しく撫でて見つめると、誰かの声が!
声「ようし!お空にタッチ頑張るぞ!」
ラファエル「ミア」
泣きじゃくる私を撫でながらラファエルが見上げると、ナナホシテントウのミアが、ひまわりの土台でお空にタッチの練習していたのです!
ラファエル「よくやるよな、いつもいつも!」
ナナホシテントウのミア「ラファエル、どうしたの?」
ラファエル「お空にタッチなんて、出来っこないよ!」
私は泣きながら私のために嘘をついてくれている事に気づいていました。
ミア「出来るもん!見て!」
ミアが指差すと、ラファエルが見上げると、てっぺんの木に赤色のサテンリボンが結び付けられていますね。
ラファエル「これって」
ミア「毎日印付けてるの!昨日より今日、今日より明日って。毎日毎日、諦めないで頑張れば、出来るようになるんだもん!」
ミアは印をつけていないところまで飛びました。
ミア「ね?あ、ラファエルは?」
ラファエル「実はな、未来姉ちゃんが樹液を巡って勝負しているの見て怖くて逃げちゃったんだ」
ミア「それでミアに嘘を?」
ラファエル「うん。未来姉ちゃん、勝負止めたかったのにおいらたちに悪いと思って言えなかったからな。未来姉ちゃんはとてもお人好しだから仕方ないよ」
ラファエルは私を慰めて頷き、私がラファエルを見ました。
ラファエル「未来姉ちゃん、おいらも喧嘩や争い、戦いや勝負も怖いと本当は思ってるから頑張ってるんだぜ。勇気を持っておいら達の応援にだけは来て!」
ラファエルは私に声をかけて、勝負に勝てる特訓をしに行きました。
残った私はラファエルの声を聞いて顔を上げ、てっぺんの木にいるミアを飛んできて、赤色のサテンリボンをミアとチョウチョ結びをしました。
ミアが涙を流す私を見て頭を撫でて優しい笑みを浮かべました。
ミア「泣かないで。勝負が怖いのは未来お姉さんだけじゃない。みんなも一緒だよ」
私は顔を向いて涙顔で見つめ、ラファエルが言った一言を思い出しました。
「ミア!ありがとう!」
私は涙を拭い、ミアに微笑みましたよ。
ラファエルは、とても大きな丸岩を縄に繋げられた重りを持ち、ガブリエルより勝てる訓練をしています。縄で繋がれたいくつもある丸太を持って走ったり、木に縛られた縄を引っ張ったり、岩に相撲みたいに手のひらを叩いたり朝から晩まで何度も諦めずに特訓しました。
そして次の日、既にいるガブリエルにラファエルがやる気満々に声をかけました。
ラファエル「ガブリエル!おいらと、勝負して!」
ガブリエル「ああ!良いぞ!」
ガブリエルは笑みを浮かべました。
空の上では葉っぱを持っているアクセルと、勝負を怖がらずに応援しようと決意を固めた私が飛んでいます。
「アクセル!私勝負が苦手でも、逃げずに二人を応援するって決めたのよ!一緒に行ってもいいかしら?」
アクセル「うん!未来ちゃん、ありがとう」
アクセルは私の手を繋いで飛びワクワク広場に到着しました。
「みんなー!」
ミア「未来お姉さんだ!」
アクセル「みんな、未来ちゃんはもう大丈夫みたいだぞ!」
みんなは喜びの声を上げました。
ラファエル「未来姉ちゃん、やっぱり応援に来てくれたんだな」
「ラファエルの私が嫌っている喧嘩、争い、戦いはラファエルも嫌だって言ってくれた言葉思い出したのよ!ミアもありがとう!勝負が怖いのはみんなと一緒だって言ってくれたのはミアのおかげよ!」
ラファエルとミアは私に嬉しそうに笑いました。ヒメボタルのアダムや、ハナカマキリのシャルロットやハキリアリのマキシーム、マメコバチのテオやモンシロチョウのエデンも来ています。
ヒメボタルのアダム「頑張って、二人とも!」
アクセル「見合って見合って・・・!Go‼︎」
アクセルの合図にガブリエルとラファエルの勝負が始まりました。
「負けないでラファエル!ガブリエルも頑張るのよ!」
私は勇気を振り絞って応援しました。
すぐにガブリエルは大きなツノでラファエルを持ち上げます。
「ラファエルも諦めないで頑張って!」
すると、ラファエルは私の応援の効果が効いてきて、ガブリエルのツノを手で抑えたのです!ガブリエルはびっくりしました。ガブリエルはラファエルを落とそうとしてもラファエルは諦めません。
「ラファエルもう少しよ!頑張るのよ‼︎」
ミア「ラファエル、頑張って!」
私とミアの大きな声にラファエルは勇気が湧いてきて、ガブリエルを柔道のように投げ飛ばしました!ラファエルは息切れて、ガブリエルは尻もちをついています。
結果は・・・・・・⁉︎
アクセル「ラファエルの勝ち!」
みんなは大喜び!
私はあまりの嬉しさにラファエルに抱きつきました。
「ラファエル、よく頑張ったわね!とても嬉しいわ‼︎」
ラファエル「未来姉ちゃんが応援してくれたお陰だぜ!ミアもみんなもありがとう!ほら!」
ラファエルの指した方に頷いた私はガブリエルのところにも来て彼に手を差し伸べました。
「ガブリエル、惜しかったけどよく頑張ったわ!」
私の言葉にガブリエルは微笑みました。
ガブリエル「未来ちゃんの気持ち気づいてやれなくてごめんな」
「ううん、もういいのよ。私勝負好きになったから」
ガブリエルは私の頭を撫でて微笑みました。
ラファエル「勝ったんだ。諦めないで、頑張ったから!」
ラファエルは涙を手で拭って笑いました。
アダム「未来ちゃん、勝負の応援に来てくれて僕たちとても嬉しかったよ!」
ハナカマキリのシャルロット「勝負かなり怖がってたのに今は応援したなんてすごかったわ!」
ハキリアリのマキシーム「未来さん応援とても素敵でしたよ。ラファエルが勝てたのは、未来さんが未来さんの勇気を持って大きな声で応援してくれたから心に届いて力が湧いてきたのでありますよ」
モンシロチョウのエデン「ガブリエルさんとラファエルさんの勝負、本当は観に行きたかったんじゃない?」
「ええ⁇分かるの⁉︎」
マメコバチのテオ「Gabrielと互いに許し合ったから分かるのさ。勝負の事、少し分かったんじゃない?」
「そうね!ラブリーな友達を勇気を持って応援する事が出来たら、勝負とても悪くないなと思ったの!」
私は元気に言いました。アクセルとエデンとみんなは陽気な私を優しく見守りました。
ラファエル、ガブリエルに勝つことが出来て良かったね^_^
つづく
次回もお楽しみに☆彡
ラファエル:チャレンジをあきめないで!
ガブリエル:そうだぞ!