テラーノベル
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70
あ
697
ゆずき
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ぼくの妹は亡くなった。病死だった。でも病気が発覚してからは全然話さなかったから、もう彼女が何を考えてかはさっぱりわかんなかった。ぼくのことをどう思ってたかも。でもきっとこんな兄嫌いで仕方がなかっただろう。これはそんな交わることのなかった双子の最低な兄の走馬灯だ。
💭💤🌈🫧🐟🚃💭
幼少期、妹とは仲が良かっただろう。小学生の時はいつも一緒にいたし、遊んでもやった。自分自身も楽しかったし、妹の笑う顔が好きだったから、それだけで満足でもあった。「仲が良くて羨ましい」と良く言われた程だ。
そんなぼくらの関係が変わっていったのは小学6年生の秋だった。妹に病気が見つかったのだ。とても深刻な事態で、これからも入退院を繰り返しながら闘病するだろうと伝えられた。両親は、顔を真っ青にした後、母親は癇癪を起こして、医者に八つ当たりした。父親が慰めて、最終的に静かに泣き始めた。病気を持った当の本人はというと、別に変わらないように見えた。でも双子の勘だろうか。泣くのを堪えてるように見えた。それからこちらを見て、苦しそうに微笑みながら、「…大丈夫だよ。すぐに良くなるから。お兄ちゃんは心配しないで。」と言った。家族の中に、少しの距離ができた瞬間だった。
妹が病気になってからは、大変だった。最初は見舞いにも行ってやっていたし、心配もしていた。妹だから。でもすぐに限界が来た。妹が病気になって生活が激変。母は毎日夜中に泣いていて、慰めようとすると暴言を吐かれて八つ当たりされる。殴られたこともあった。人が変わったようだった。父親は明るく振る舞おうと、一生懸命働いていたが、明らかに疲弊していて、この世の物とは思えないような顔をしていた。その考えは当たりだったようで、俺の卒業式—妹も出るはずだったが、そんなわけにもいかなく。を見届けてから家で首を吊った。とても精神が持つ状態ではなかった。中学生の身体ではもう限界で。俺は中学に入ってまもなく、現実逃避をした。学校の授業はロクに受けず、近くの学校の不良を殴って、ストレス発散をして。もちろん妹の見舞いには行かず。こんなに自己中心的な生活を送っていたにも関わらず、毎日、訳のわからない涙を溢していた。
それから2年ほど経った。中三の秋、いつも通りの日だった。わけあって病院に行くことになり、本当に久しぶりに妹に会った。前より元気、ということは無いが、すごく痩せこけているわけでもなく。当時は「めんどくせぇ」としか思ってなかったのだが。ただ立っていた俺に本を読んでいた妹が気付いて、すごい形相で見つめてきた。
「…お兄ちゃん?」
「あの、久しぶり、どうしたの?その格こ「お前のせいで…」
「お前のせいで!!!父さんも死んだ!!!母さんも苦労して!!!全部お前がいたからだろ!!!ふざけんな!!!」
「お兄ちゃん落ち着いて…」
「は、もう消えろよ…お前なんて居なければ良かった…」
いつも通り無関心にしてれば良かったのに。楓を見た瞬間、三年分の怒りと憎悪が溢れて仕方がなかった。あと涙も。
「ねぇ、うちが悪かった?」
「うちだってさ!!!こんな苦しい思いしたくなかったよ!!!お兄ちゃんにはわからないかもだけど!なんでうちの所来てくれないの?!ちょっとぐらい心配してくれても「はぁ!?黙れよ!病人の身分で何言ってンだ!!目障りなんだ!!マジで!」
「….そんなに嫌だった?」
「ねぇ、やっ、ぱうちって、いらなかったッ?」
「うち、お兄ちゃん、とッ、また、遊びたいよぉ…」
「…チッ、」
その後は覚えていない。気づいたら家の玄関で。気づいたら妹の病室で。永遠に目覚めない妹と、その前で泣き崩れる母親をただ茫然と見ていた。その日から特別酷かった気がする。よくわからない薬を大量に飲んでは吐いて、腕を切って—-つまりオーバードーズとリストカットというやつだ、それを1週間ぐらいしてから、病院に運ばれ、ようやく立ち直った。それからは現実と向き合い、妹の死に死にそうなほど後悔し…そして自分のことを誰も知らない、地方の高校に進学した。髪を染めて、伸ばして、今度こそ「いい子」でいようとした。それでも、ダメだった。
かえで、ゆるしてくれるか?
ゆるしてくれないよな、
そりゃあそうだ、
かえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいかえでをごめんなさいごめんなさいゆるしてください…
俺も、また一緒に遊びたかったなぁ….
-終-
こんにちは。西瓜です。だいぶ期間が空いてしまいました。すみません。紅葉の過去編、どうだったでしょうか。今回は3話を超える鬱展開、「こりゃ紅葉もグレるな…」と言った理不尽っぷりです。作者自身、書いてて私やばいなと思ったぐらいです。大変苦しいです。また何か質問ありましたら、コメントよろしくお願いします。
さて、ねばおわも実のところ、最終局面を迎えて来ています。次は本編最終回、4話です。(番外編も出しますが…)最後の物語の主人公は「あの子」で…?ねばおわ、是非最後まで見届けて欲しいです。最後に、紅葉の妹、楓の立ち絵資料を貼って終わります。 じゃあ。
『どんなに「大人になれない」と思っても!』
『わたしは自分の足で未来に進みたい!!』
『…涼くん?』
tobe continue …
コメント
3件
うわ、キツかった……でも刺さったわ。 双子の兄妹って特別な絆なのに、病気が家族をバラバラにしていく描写が生々しくて、読んでて胸が締め付けられた。紅葉がああなったのも納得しかないし、それでも最後に「遊びたかった」って本音が出るのがもうね……。 「お前なんていなければ」って言葉は一生消えない傷だよな。楓の「うち、いらなかった?」の問いがずっと残ってる。ちゃんと向き合えなかった後悔、痛いほど伝わった。次、最終回か。覚悟して読むわ🔥