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おれは明け方がすき
冷たい空気、静かな道路、誰もいない街、霧がかっていてすこし薄暗い外、おれ以外がいない世界。
「あれ?らっだぁさん?」
明け方、6時過ぎの外を歩いていると、不意にそう声を掛けられた
「──シャオさん?」
そこに居たのは、つい昨日一緒にご飯を食べに行ったシャオロンだった
「どうしたんすか?こんな朝早く」
「えぇ?いやぁ普通に俺朝好きなんで」
「えーらっでぃ朝弱そうやと思ったからなんかショック」
「シャオさん人のこと言える???それ」
「おま言う」
「はーー??喧嘩売ってる???」
「ブーメラン乙。やるか???お??」
「おう来いよ」
「………」
「……?」
「……ほんまに、どないしたん。なんか元気ない」
「え、そう?」
「……ほんまに、こんな時間になんで出歩いとるん?言っとくけど俺はたまたまトイレに起きてそのまま眠れんくなっただけやからな。らっだぁさんとちがって寝癖も直してへんし寝巻きのまんまやで。らっだぁさんとちがって」
「…………」
「なぁ、教えて。なんでそんな『いかにも出かけます』みたいな格好で、こんな早朝から出歩いとるん?どっか行くの?どこ行くん?」
「…いや、理由はさっき言った通りだよ。単におれがこの時間帯が好きなだけ。……でも、そうだなぁ、何かどうひとつ理由をつけるとしたら、″誰もいない″からかなぁ…」
「……だれもいない…?」
「そ。だってこの時間って、基本的に誰もいないでしょ?ひとりぼっち。だから俺はこの時間が好き」
「……らっでぃは、独りになりたいん?」
「…いや?みんなといるのは楽しいし、色んな人と喋ってるのは心地いいよ。けどさ、たまにふと考えちゃうんだよね、″自分以外がいなくなった世界″っていうの」
「………」
「おれは俺が好きだから配信してるけど、コラボ相手も、ふとした時に話せる仲間も、俺を、おれが届けたい皆も、だれもいなくなって、最終的にもしかしたらおれも居なくなるんじゃないかな、ってともったりして」
「………」
「別に、孤独になりたいわけじゃないよ。ただ、いつも一人だから、ほんとに独りになったときはどうなるんだろう、とか考えちゃうだけ。」
「…──らっでぃは」
「ん?」
「らっでぃは、″らっだぁ″は、ひとりちゃうやん。」
「え、」
「少なくとも俺が知ってる″らっだぁ″は、いつもみんなが周りにいて、周りも自分も自然と輪の中聞いて、笑顔になってる。そんな人間やで」
「………」
「らっでぃがなんでそんなに不安感を募らせえんのかは知らんけど、お前は、ひとりちゃうよ」
「…ひとり、じゃ、ない…」
「ほかのみんなが忘れようと、少なくとも俺が覚えとるからな」
「……そっか、シャオさんは、覚えててくれるんだ、ほんとに」
「…え、」
「なんか、スッキリしたわ。心が。 ありがと、シャオさん」
「え、いや、俺はただ本心を伝えた迄や」
「そっか、本心…」
「?おう」
「はー、いっぱい話したし、今日はもう帰るわ」
「おう、またな」
「うん、またね、シャオさん」
「お前は、俺を忘れてくれるなよ、3年生野球部のシャオロン。」
コメント
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久々に帰ってきたけどいるかな
そるやっほー