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動力炉 畠山 里香

薄暗い白黒のテレビだらけの通路を、車輪だけのまるで戦車のような車が私を追いかけてくる。私は全速力で走った! 幸い車輪だけの戦車は足はあまり速くない! こんな時なのに! 向こうから子供の涙声がした!

「お姉さん! どこ! おじさんが! 早く来てーーー!!」

今はそれどころじゃ……。

ギュルルルルっと、地面を掘削するかのような大型車輪が迫ってくる。通路の壁を破壊しながら、その巨体を強引に走らせている。よく見ると、人は乗っていないようだ。

「あ!」

だったら、他の人型機械と同じコードが付いているのでは?と、私は一瞬思ったが……。 それはさすがに間違いだと気が付いた。ガソリンだ。ガソリンで動いているのだろう。動力がガソリンならいずれ動かなくなるかも知れない!

そうだ!

何に反応して私を追っているのかはわからないけど! 隠れよう! テレビだらけの通路から人体研究室と書かれているプレートが見えた。私はそこへ逃げ込もうとしたが?

「お姉さん! そっちは危ない! こっち!」

私はどこかからの子供の声を信じることにした!

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