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いつも通り如月くんの家に向かった。

インターホンを押す。しかし、何度押しても返事がない。

「いつもならすぐ出てくれるのに…」

不審に思いながら、ふと玄関の扉に目をやると、わずかに開いていた。

「え…」

胸の奥がざわつく。嫌な予感がした。

家の中は静まり返っていて、誰の気配も感じられない。

焦りながら中に入り、如月くんを探す。

「如月くん…?」

返事はない。

足早に家の中を進み、彼の部屋のドアを開ける。

そこで目にしたのは、床に倒れている如月くんの姿だった。

一瞬、息が詰まる。

「如月くん!!」

胸が張り裂けそうなほどの不安と恐怖がこみ上げる。声は震え、喉が詰まるような感覚に襲われながらも、必死に叫んだ。

駆け寄り、彼の肩を揺さぶる。

「大丈夫!?」

しかし、彼の瞼は閉じられたままだった。

息をしているか確かめるために顔を近づけようとした瞬間、彼の瞼が微かに動き、ゆっくりと目が開いた。

「…!帆乃さん?」

彼の声はかすれていて、息を整えようとするかのようにゆっくりと呼吸をした。視線はまだぼんやりとしていたが、次第に焦点が合い、私の顔をしっかりと捉える。

「よ、よかったー…」

安堵のあまり、力が抜けて膝から崩れ落ちた。呼吸が乱れ、視界が滲む。胸の奥に溜まっていた不安と緊張が一気に解け、涙が頬を伝うのを止められなかった。

如月くんはゆっくりと上体を起こし、私を見つめた。顔にはまだ疲れの色が濃く残っているが、意識ははっきりしているようだった。

「え、どうしたの?」

「どうしたもこうしたも…!インターホン押しても出ないし、玄関空いてたから…すごく心配したんだよ…!」

声が震え、涙が込み上げるのを必死にこらえながら言った。

涙を拭きながら言う。

「ご、ごめんね」

彼は申し訳なさそうに肩をすくめた。

「ここで話すのもなんだし、リビングで話そ?」

「うん」



如月くんに紅茶を淹れてもらっている間、湯気が立ち上るのをぼんやりと眺めながら、少しずつ呼吸を整えた。

「はい、紅茶」

「ありがとう」

両手で紅茶が入ったマグカップを持つと、紅茶の香りで気持ちが落ち着いてきた。

「で、なんで倒れていたの?」

「倒れていたんじゃなくて、寝てただけだよ」

如月くんは苦笑いしながら言ったが、その表情にはどこか疲れが滲んでいた。目の下には薄くクマができ、頬も少しこけている。

「そうだったんだ」

ホッと胸を撫で下ろす。

「俺さ、最近不眠で寝れなかったんだ。色々考えすぎちゃって、夜になると頭が冴えちゃうんだよね…。だから、処方された睡眠薬を飲んだらそのまま眠っちゃったみたい」

「考えって、退学のこと?」

「そう」

「答えは決まった?」

「まあ」

そう言って彼は黙り込んでしまった。視線を伏せ、手元のカップをゆっくりとなぞる。肩がわずかに落ち、微かなため息が漏れる。

「やっぱり、退学しないことにするよ」

「え…!本当に?!」

驚きのあまり、思わずカップを持つ手が震えた。心臓が一瞬止まりそうになるほどの衝撃が走る。思わず如月くんの顔をじっと見つめてしまう。

「うん。帆乃さんとこうやって仲良くなれたし、俺もみんなみたいに普通に学校行けるようになりたかったからさ」

そこまで言うとフッと笑みをこぼした。

「如月くんがそう決めたのなら、全力でサポートするし応援するよ!」

「ありがとう」

「一応聞くけど、本当にそれでいいんだよね?」

如月くんは少し間を置き、静かに頷いた。その表情には迷いが消え、どこか決意を感じさせるものがあった。

「うん。先生にも伝えといて」

「分かった!」

それから、2人でアニメを見ながらゆっくりとした時間を過ごした。何気ない会話を交わしながら、ようやく訪れた穏やかなひとときに心が安らいだ。

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