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ギリッ・・・
骨が軋む音が耳に響く。声を上げたいが、どうやら声封じの魔術が喉にかけられて、喋ることが出来ない。
ブラックは目の前の人を睨む。
目の前の仮面を付けた人は、すまない先生の首にナイフを突きつけていた。
「・・・随分反抗的な目だな・・・おい、やってしまえ」
そうブラックを押さえつけていた奴らに指示をした。その途端、
ゴキッ
「ッッッ!!」
「ブラック!!」
痛みが走り、ブラックは喉を封じられているのを忘れるほど叫んだ。だが、声から出るのは掠れた声だ。
すまない先生は、利き腕が使い物にならなくなり、前ほど戦えなくなった。ブラックは押さえつけられ、腕を折られた。絶体絶命だ。すると、
「・・・もし、英雄が反抗せずにこちらへ来てくれるのであれば、この男には手を出さないで置いてやろう。どうする?英雄よ」
「・・・ッ!」
「・・・だっ・・・めで・・・す・・・せんせっ・・・ッ!!」
またゴキッと音が。もう指や腕の感覚が無かった。ブラックはまた痛みに歯を食いしばる。それを見たすまない先生は叫んだ。
「分かった!分かったから!!君たちの言う通りにするから!!だから、ブラックや息子達に手を出すのはやめろ!!」
そうすまない先生が言うと、その男はクックックと笑い、答えた。
「それでいいんですよ・・・おい、そいつは置いていけ」
そう言うと、ブラックを押さえつけていた奴らは、ブラックの足を折り、その場から離れた。
痛みに意識が遠のく。最後に見た景色は、すまない先生がこちらを見ていた。そして、こう伝えていた。
「息子達をお願い」
と。