「 音駒… 」
青葉城西高校で赤く揺れるユニホーム。
ウォーミングアップをする音駒高校の反対コートでは白と淡い緑のユニホームが揺れる。
「 ねぇ、ユウ。あれって早瀬十磨?本物始めて見た。 」
「 そうねぇ…すんごいセッターなんだろ?稔も負けんなよ 」
「 そこ競争するとこじゃない… 」
そして練習試合が始まる。
「 はぁ…なにこれ。やばいやつじゃん 」
選手に秀でて凄い選手がいるわけじゃない。
飛和みたいな天才が居る訳じゃない。
練習試合が終わるともう疲労も疲労。
体よりも頭を使った気がした。
「 はぁ…あのセッターなんなの… 」
「 なんか策士ってカンジの… 」
岸部ちゃんも杉下ちゃんもそう言っていた。
すると後ろから音駒の主将くんが言った。
「 ウチのセッターは背骨で脳で心臓デス 」
「 うぉ?! 」
「 ちょっとユウ。ガラ悪いよ 」
「 ひっでぇな?! 」
「 …なんなんだ…? 」
もうやばいね、ここ。
音駒高校…
「 ははっ、怖いねぇ… 」
「 なにビビってんだよ。らしくねぇな。今日のサーブもビビりまくってたじゃねぇーか 」
「 ひどいよ、冴ちゃん?! 」
「 そういえば安野くん。しばらく宮城いるらしいけど他にも練習試合すんの? 」
俺はネットを片している最中音駒の主将の安野優馬くんに言った。
「 えーっとな、明日烏野として東京帰るぞ 」
「 ほぇ…烏野ねぇ… 」
俺は目を逸らして少し笑う。
俺らより強くなっていくチームだよ。負ける気はないけどね。
とも思ったけど口出したのは
「 俺の弟居るから!! 」
そういって俺はネットを片付ける。
「 早瀬さんの弟か…性格ひん曲がってそうだね。 」
俺は想像すりに生意気なカンジだけど…と思って呟いた。
「 ちょっと?!安野?!君んとこのセッターくん真っ直ぐ過ぎない?! 」
「 はぁーい。ウチのセッターはいつも通り、正常運転でーす。 」
「 はっきり言うねぇ~ 」
「 飛和よりお前の方がひん曲がってるだろ。 」
「 ウチのスパイカーも真っ直ぐでした!! 」
そうして音駒は青葉城西から帰り、宿へ行く。
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