「……触れて……お願い、僕を……」
若井の手が迷わず伸び、藤澤の冷えた指をぎゅっと握った。
「……俺たちが、楽にしてやる」
藤澤も頷き、柔らかく微笑む。
「涼ちゃんのせいじゃない。……俺たちに任せて」
次の瞬間、藤澤は2人の胸に抱きしめられた。
「あ……っ……!」
その瞬間に押し殺していた声が堰を切ったように洩れ、背筋を震わせる。
大森がそっと唇を重ねると、藤澤は目を潤ませながら声を洩らす。
最初は優しく、だが切実さを帯びて深くなっていく。
「はぁ、っ……元貴……」
吐息と共に声がもれる。
その声音は、快楽と同じくらい愛情を求めていた。
若井も背後から腕を回し、耳元で囁く。
「大丈夫。……俺たちがここにいる」
藤澤は震える声で答える。
「……ありがとう……嬉しい……」
次第にキスは深くなり、藤澤の吐息は甘さを増す。
「ん……っ、ふ、ぁ……っ」
藤澤の身体が小刻みに震え、声が漏れた。
大森の手が胸元へ伸び、そっと愛撫する。
胸の突起を指で転がされるたび、甘い声が抑えきれずに溢れ出る。
「ひぁ……っ!あ、そこ……やぁっ……!」
「……嫌?涼ちゃん」
「ううん……。今までより……全然違って、気持ち良すぎてっ……声が、でちゃう……っ!」
大森が囁き、若井の手が下腹部へと伸びる。
熱を帯びたそこを掌でなぞった瞬間、藤澤は弓なりに反り返った。
「ぁああっ……っ!だ、だめ……!熱い……っ、そこ……っ」
涙が頬を伝い、声は絶え間なく漏れる。
「……恥ずかしい……こんなの、見られたくないのに……っ」
だが大森はその顔を両手で包み込んで言った。
「……見せて。全部、俺たちに見せていいんだよ」
その言葉に、藤澤は必死に大森に縋りつくように唇を重ねた。
「んっ……んん……はぁ……っ」
若井はさらに下腹部を指で攻める。
敏感になった場所をゆっくり、しかし確実に愛撫する。
「んっ……だめぇ……あっ、そこ……っ!気持ちいい……っ」
藤澤の声は甘さを増し、快楽の波に呑まれていく。
胸を舐める大森の舌。
下腹部を執拗に責める若井の指。
二方向からの愛撫は、彼の理性を一瞬で溶かす。
「あっ……あぁぁっ……だめっ……くる、イく……っ!」
指が一層深く扱かれ、舌が敏感な突起を吸い上げる。
「やぁああっ……あああぁっ!!」
藤澤は絶頂の波に呑み込まれ、涙を流しながら身体を震わせた。
大森は、震える藤澤の背中を優しく撫でていた。
「……大丈夫。もう、大丈夫だから」
だが藤澤は小さく首を振った。
「……違うんだ。僕が……僕の手で、あの薬を作ったんだよ……」
掠れた声で絞り出すように言葉を吐く。
「禁忌の薬……僕が調合して、あいつらに渡した。飲ませて、効き目を試させて……笑われて……。そして……」
藤澤の声が途切れる。
喉が詰まって言葉にできない。
だが、何をされたのかは2人に伝わっていた。
若井は拳を強く握り、悔しさに震えた。
「……それでもだ」
彼は藤澤の頬を掴み、涙で濡れた顔を正面から見つめる。
「俺たちにとって涼ちゃんは……仲間で、家族なんだ。汚れてるなんて思わない。むしろ、お前を守れなかった俺たちが悔しい」
「……家族……?」
藤澤の声はかすれ、目からは涙が溢れ続ける。
「そうだよ」
大森は微笑む。
「涼ちゃんは俺たちの大事な、かけがえのない存在なんだ」
若井も力強く頷いた。
「お前がどんな姿でも、俺たちは見捨てない。……だから、一緒に帰ろう」
その言葉に、藤澤の張り詰めた心が音を立てて崩れていった。
「……ごめん……ありがとう………」
声を詰まらせながら、2人の胸に縋る。
大森と若井は同時に藤澤を抱きしめた。
痩せ細った体を包み込み、温もりを与えるように。
「いいんだ。俺たちが支える」
「……これからは一緒だ。もう二度と離さない」
快楽に溺れながらも、確かにそこにあったのは支配ではなく、愛情だった。
「……2人がいるなら、僕……生きていける……」
夜空を見上げると、雲が切れ、満月が三人を照らしていた。
涙に濡れた藤澤の横顔を、柔らかな光が優しく照らす。
やがて疲れ果て、藤澤は安らかな寝息を立てた。
彼を包み込み、2人で頭を撫でながら、いつまでも寄り添い合った。
コメント
6件
ハッピーエンドだね!!めった良かった!!
よかったー!どうなることやらと心配してました!
ハピエンだ~!めっちゃほっとした(*´▽`*) 主最高でした~、ありがとうございます😊