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ひたむきに、あなたへ

138 - 第6章 選ぶべき道 第138話

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2025年09月10日

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ようやく華の部屋に辿り着き、律はそっとベッドに彼女を横たえた。

靴を脱がせ、毛布をかけると、華は安らかな寝息を立てる。


「……全く、世話の焼けるお嬢様だ」


そう口では言いながら、律の表情はどこか優しかった。

寝顔を見つめると、胸の奥に柔らかな熱が広がっていく。


(どうしてこんなにも、気になるんだろうな……)


酔っている時でさえ、自分にしがみつくように名前を呼ぶ姿。

ぶつかり合いながらも真っ直ぐな眼差しを向けてくる姿。

その全てが、律の心を揺らしていた。


「……もう好きだけどな」

思わず漏らした小さな呟きは、眠る華には届かない。


けれど、それは律が初めて自分の胸の内を認めた瞬間だった。

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