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「………これ…懐かしいな。」
物の整理をしている途中見つけた中学の時の卒業アルバムを見て、私は懐かしい気分になる。
…そういえばななっし〜の方から告白してきたんだっけ。びっくりしたなあ〜あの時。
私は椅子に座ってアルバムを腕に抱きしめながら、そっと目を閉じてあの時のことを思い出す。
「もう卒業するんだね、私たち…」
卒業式の日、ななっし〜はそう言ってた。
「…そうだね、でも同じ高校だし、寂しくないよ!」
「…うん。」
…なんかななっし〜元気ない?といえか悲しそう?
「…ねえべる。」
「何?ななっし〜。」
「後でさ…ちょっと公園で話そうよ。」
「?うん分かった。」
卒業式を終えて、家族やななっし〜と写真を撮ったあと、私は公園に向かった。
懐かしいな…昔よくななっし〜と遊んでたっけ。
桜の木の側に経つななっし〜は落ち着かない様子だった。
「それでななっし〜、話って…」
「べ、べる!」
私はななっし〜の覚悟を決めたような顔に、少しどきっとした。
「その、私…」
「べ、べるのことが…」
「す…好きなの!」
「…………………………へ?」
思わず変な声が出る。
「な、え…?」
「………ごめんなさい…それが言いたくて…」
ななっし〜は泣きそうというかもはや泣く寸前の顔をしていた。
「…あ、えっと…」
「…やっぱり、無理だよね…」
「!」
私は俯いたななっし〜の顔を手で私の方に向かせて、ななっし〜の顔に近づく。
「………………ん」
ななっし〜の唇に私の唇を重ねる。
『……………………』
どれだけ時間が経ったか分からない。唇を離すと、ななっし〜が凄く顔を赤くして私を見ていた。多分私も顔が赤くなってると思う。
「…私もななっし〜のことが…好きだよ。」
「………よかっ、たあ…」
泣き始めたななっし〜を落ち着かせながら、ベンチに座る。
「…まさか告白されるとは思わなかった。」
「…私も両想いだとは思わなかった。」
私が渡したハンカチで涙を拭きながらななっし〜が言う。
「でも…なんで卒業式の日に?」
「だって…」
「…」
「中学校はなんか恋愛駄目とかあったじゃん?」
「あー確かにブラック校則みたいなのあったね。」
「でも…高校は…恋愛とかしたいでしょ?」
「まあ…思ってた。」
「それで…なんか…その…べるに恋人とかできたら、嫌だなって…」
「………」
私はななっし〜の立場で考えてみる。
確かに…ななっし〜に恋人ができてたら、凄く嫌だな…
「…私もそうかも。」
「…だから告白したの。」
私はななっし〜の手をそっと握る。
「……!?」
ななっし〜の顔がまた赤くなってたけど、そんなの気にしない。
「…このあとさ、どっか行かない?皆遊びに行くっぽいし。」
「…………………うん。」
小さく頷いたななっし〜と一緒に立ち上がった私は、手を握ったまま歩き出した。
………あそうそう、この後ななっし〜と手を握ってるところ凸さもに見つかったんだった。めっちゃ恥ずかしかったよ。
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