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大←菅のバウムクーヘンエンド。バウムクーヘンエンドが分からない人は絶対調べてから読んでください。個人的には大菅だと思って書いてるけど、菅ちゃんからの片思い描写しかないのでどちらでも行けますよ。
⚠・バウムクーヘンエンド
・嘔吐描写あり
・幸せにならない
・大結が結婚してる
今日は大地と道宮の結婚式だった。
ようやくくっ付いたのか、という雰囲気で、2人とも幸せそうな顔だった。田中とかボロ泣きしてなかったっけ?あいつらもすっかり夫婦らしくなっちゃって。俺のスピーチも成功してよかったな。スベったらどうしようかヒヤヒヤしてたんだよ。
鞄を片手に街をぶらぶら歩く。都会の光も段々消えてゆき、ただの静かな住宅街に出た。見慣れたアパートを見つけて、部屋の鍵を開ける。
ドアを開ける手の力が出なくて、体当たりするようにドアを開ける。
目の前の光景は、明るい体育館でもなく、賑やかな式場でもなく、散らかった真っ暗な部屋だった。 電気をつけることもスーツを脱ぐことも忘れて床に倒れ込む。
今日は俺が好きだった人の結婚式だった。
俺は大地の事が好きだった。恋愛的な意味で。そう自覚した時は大分混乱した。
そう気づいてから、大地の一つ一つの仕草が魅力的に感じた。もたれかかった時に感じる体温が好きだった。部活中はしっかりしてるけど、俺たちだけになったら割とふざけるのも好きだった。誰よりも大きく見えた背中が好きだった。
分かりきっていたのに、日本の同性婚の制度を検索した時もあった。液晶に映し出される文字一つ一つが俺の首を絞めていった。
ある日、偶然大地と二人で雑談している道宮を見た。その時の二人の笑顔を見て、あ、無理だ。そう思った。以外と恋は呆気なく終わるもので、ふわふわと夢を見ていた俺に現実は冷水をぶっかけた。
次の日、目の下が赤く腫れて大地に心配された。けど俺は張り付いて剥がれない笑顔で曖昧に返事をすることしか出来なかった。
腕に力を込めて起き上がり、なんとか机まで移動する。鞄を漁って箱を取り出す。暗闇で見ても綺麗な包装紙に包まれたそれは、おそらくバウムクーヘンだろう。包装紙を破り捨てる。広がる甘い匂いが吐き気を増進させた。机の端からフォークを取って、バウムクーヘンに突き刺し、1口食べる。感じるのは微かな甘味だけで、砂を噛んでいるようだ。2口目、3口目と食べても込み上げるのは吐き気だけ。苦しくて苦しくて、何も考えずにバウムクーヘンを口に詰め込んだ。
「…っう゛…」
予想通り、強い吐き気を感じて、トイレに駆け込む。道のりがやけに長く感じた。
「おぇ゛…げほ、うぇ…っ」
今日食べた物がそのまま便器に吐き出される。キラキラした料理も、名前は分からないけど美味しかったあれも、全部吐瀉物になって出てくる。
「う゛ぇ、ぇ…っふ」
最低だ。本当に俺は最低だな。息が上手く吸えない。意識が朦朧とする。
「はぁっ、ふ、かひゅ…っえ゛」
どのくらい経ったか記憶が無い。胃の中身を全部ひっくり返して、足りない酸素を求めて必死に呼吸する。
ぼろぼろと涙がこぼれてきて、視界を覆う。いくら拭っても止まらない。
「っあ、うぁ…ああぁあ…!」
止まらない涙が頬を伝って便器に落ちる。
「うあぁあぁ…っ!!」
ただ、掠れた嗚咽と泣き声が狭いトイレに響いた。この前までつい昨日のように思っていたあの夏が、急激に遠ざかっていく。
体から水分が枯れ果てて、よろけながら立ち上がる。トイレの蓋を閉めて、レバーを回す。
ジャー、と俺の感情が流れていく。その音に混じって、あの声が聞こえる。
そもそも男を好きになった時点で諦めなければいけなかった。だから俺は俺を殺して、親友としてそばに居ることを選んだ。それすらも叶わない。皆、俺に背を向けて立ち去っていくように感じた。さっきまで皆と盛り上がっていたのに、酷く孤独に思った。
今日も明日も1年間後も、俺を迎えるのは孤独と冷たい部屋なのだろう。急に全てに腹が立って、近くにあったゴミ箱を蹴飛ばした。
バコン、という音が静かな部屋に響くだけだった。
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#佐久古
レタスが、取れたっす
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月城 ゆう
40