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帰り道。
僕は1人でryoちゃんの事をずっと考えていた。
今日ryoちゃん早めに仕事終わらせて帰ったし、よっぽど大切な用事だったのかな。
考えれば考えるほど胸が傷む。
このままryoちゃんに気持ちを伝えないでいるとどうなるんだろうか。
ずっと霧がかかったような気持ちで生活しなければならないんだろうか。
死んだ魚のような目をして歩いていると、
その目に衝撃的なものが写り込んできて少し早歩きだった足を止めた。
「えっ、」
心から溢れ出た声が出てしまった。
ryoちゃんが知らない男と話している。
ryoちゃんの顔は男が重なって見えないがその男は楽しそうにryoちゃんに話かけている。
あぁ、最悪な物を見てしまった。
よりによって今一番見たく無かったもの。
僕はさっきより早歩き、いや、走って自分の家に帰った。
家に帰ると僕は乱暴に服を脱ぎ部屋着に着替えた。
実はその部屋着はryoちゃんとお揃い。
昨日まではどんな服よりも大切で、愛おしかったのに、今はなんだか憎らしく思えてしまう。
家に帰っても頭はryoちゃんの事でいっぱいいっぱいだった。
いろんな考えが浮かんでは消え、消えては浮かんでくる。
お風呂や歯磨きを終えて、僕はいつもの椅子に座り、曲を作る。
僕は大体夜に曲を作る。
朝や昼より色んな音が入ってこないし何より落ち着くからだ。
でも今日は全然リラックスすることが出来なかった。
ずっと頭の中が騒がしいからだ。
もちろんryoちゃんの事で。
僕は諦めて寝る事にし、布団の中に入った。
何故かいつもより肌寒く感じたので自分が着ている部屋着を抱きしめるようにして
眠りについた。