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お題【死】

太宰side

「ねぇ敦くん。」

「なんです?太宰さん。」

敦くんにいつもの笑顔で話しかけるとすぐに返事が返ってくる。

「敦くんはさ、何で生きたいの?」

急にこんな話をされて敦くんは戸惑っているだろうか……だがふと顔を見ると真剣そうな顔でこちらを向いていた。

「生きたい…そう思ったことはありません。」

少し寂しげな顔で、儚い笑顔で、敦くんはそう答えた。そして少しの沈黙の後敦くんは口を開いた。

「ですが、生きなきゃ行けないんです。太宰さんに救ってもらった命がここにあって、困ってる人が耐えなくて……」

言葉に詰まったのか下を向く。だけどすぐにまたこっちを向いた。その敦くんの目はとても頼もしく、眩しかった。

「僕は、太宰さんに救ってもらったこの命で困っている人を救う為に生きています。理由はこれだけです。」

そういい、にこっとまだ幼い笑顔でそう告げた。18歳。まだやることが沢山ある子供。守らなきゃ行けない子供だ。そんな子供が困っている人を助ける為に生きている。なんて…

守られる側は敦くんの方なのに…

「……じゃあ逆に聞きますね」

暫く考え込んでいて沈黙が続いていた時に敦くんが口を開いた。そして続けて私に聞く。

「太宰さんはなんでそんなに死にたいんですか?」

心臓がドクッとなる。急に耳元に心臓があるようにドクドク聞こえる。なぜ私は死にたい…?死にたいに理由などない。ただ、この酸化する世界が嫌いなだけ。

「うーんそうだね…」

何も答えないと違和感を持たれそうなのでいつも通りの普通の笑顔でそう答えまた暫く考え込む。なんて答えれば敵策か…死ねないから?つまらないから?沢山考えが浮かんでくる。何十個も何万個も…だけどその考えのせいでまたいき詰まる。だけど、1番心配させない答えで。1番笑っておわれる答えで。

「そうだね…特に理由はないけど美女と愛し合ってみたいからかな☆私の夢は美女との心中だからね」

と笑って過ごす。今まで気づかれなかったんだ。今回も無事だろう。そんな考えを持った自分が馬鹿だった。次敦くんの口から聞いた言葉は、「嘘。」この2文字だけだった。嘘が見つかれた?嘘だとなぜ分かった?急に疑問がどんどん浮かんでくる。

「嘘…ですよね…」

弱々しい声でそう問う。

「う、嘘じゃないよ、…」

何故だろう。いつもは大丈夫なはずなのに、こんなこと聞かれたって平気なのに。

「動揺しちゃってますよ」

少しクスッと笑い言う。安心させたいのか、面白かっただけなのか、いつもはすぐ分かるはずなのに頭が回らない。ただ、嘘。この2文字だけが頭の中で渦巻いている。その感覚はとても気持ち悪く、吐き気がする。

「教えてください。僕は太宰さんに救われました。だから、次は僕が太宰さんを救いたいんです。」

よく漫画や小説で聴くような言葉。よく聴く言葉なのに、敦くんが言うとその真剣な眼差しのせいで、真剣な声のせいで、凄く胸に響く。私は黒に染っている。なのになんでそんな私を助けてくれるのだろうか。私には到底理解できないことだ。

「もう一度聞きます。なぜ死にたいんですか?」

考えた。なぜ死にたいか、なぜこの世界から逃げ出したいのか。理由はひとつだ。ただこの理由だけで私はこの酸化している世界から逃げ出したいと思っている。この世界と言う牢獄で、言葉という拷問で、そんな世界に生まれてきた自分が間違っていた。生まれて来なければよかった。こんな言葉は幼い頃何十回も何百回も聞いてきた。その都度私は自分に生まれてきて偉い。と教えこんでいた。だけど、今はそんなこと思わない。自分は生まれて来なければ良かった存在なんだって思う。親の言うとうりだ。

私は少し沈黙を置いて、いつもの仮面をつけるのはやめて、素の自分で言った。嫌われたっていい。引かれたっていい。元々私に居場所なんか無いのだから。

「…私の、生まれてきた意味が無いからかな。」

何も光を通さない目で、そういった。その時の敦くんの顔はどこか優しいようで、悲しそうで、見ているだけで少し心地が良かった。


主から〜

えーと、約1ヶ月ほど投稿していなくてすみませんでした!理由は、単純に忙しかったからです!部活や勉強や…書く時間はあったのですが、あまり気が向かなくて…気づいた時には1ヶ月経っていました!!本当に申し訳ございませんでした!!これからはしっかり書いて投稿していきます!!

この作品はいかがでしたか?

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コメント

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ユーザー

ほぁぁ!!まじでお久しぶりですう!! 覚えてなかったらごめん!!! あと、最高すね👍👍👍👍👍!!

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