テラーノベル
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付き合いたての頃。甘酸っぱい空気が、俺の頭をこれでもかとパンクさせていた。
「え!!ふうはや、そのアイスうまそー……一口ちょうだい!!」
放課後のショッピングモール。りもこんは、当たり前かのように俺の持っているカップアイスを指差した。
そんなことは、友達同士なら日常茶飯事だ。
だが、今は違う。恋人同士だ。
俺は心臓が跳ね上がるのを感じた。
(そ、それって……間接キス……!?)
「あっ、う、うん……いいよ…?」
恐る恐るスプーンを差し出すと、りもこんは屈託のない笑顔でそれを頬張る。
「ん、うまっ。ふうはや、いいチョイスするね」
「そ、そっか。……よかった、」
俺の顔はすでに茹でタコのように赤くなっている。が、当のりもこんは「ふーん」と軽く頷いただけで、すぐに隣の服屋に興味を移してしまう。
その無自覚な距離の近さに、俺の頭の中では警報が鳴り響く。
続いて訪れたのは、服屋でのことだった。
りもこんは、 今日俺が着ていたシャツと同じようなシャツを見て、りもこんが目を輝かせる。
「あ、これふうはやの…!!ふうはや、その服、お揃いにしてもいい??」
りもこんは俺の腕を掴み、期待に満ちた瞳でこちらを見つめてきた。
(お、お揃い……!? しかもそんな上目遣いで……)
思考回路がショートしそうになり、俺は思わず自分の顔を両手で覆った。
「だ、だめ、かな……?」
りもこんの少し不安そうな声に、俺は慌てて顔を上げる。
「ち、違うっ! いいよ!! めちゃくちゃいい!! ……てか、買う! 一緒に着よう!」
「ほんと? やったー!!」
そう言って、りもこんは勢いよく俺とハイタッチした。
触れ合った手のひらの熱が、そのまま俺の頭まで伝わっていくようだ。
そのあとも、歩いている時に不意に肩が当たれば「ゔっ……」と硬直し、りもこんが「ふうはや、靴紐結ぶからちょっと待って」と膝をついてしゃがみこめば、その頭頂部を凝視してしまい、
(な、なにを考えているんだ俺は……!)
と自己嫌悪に陥る。
りもこんにとっては、親しい恋人と出かける延長線上の「仲良し」な行動。
けれどふうはやにとって、りもこんの行動すべてが「恋人としての特別」に変換され、脳内はフル稼働の末に限界を迎えていた。
「ねぇ、ふうはや。さっきから黙ってどうしたの? 疲れた?」
カフェの椅子に座り、りもこんが心配そうに覗き込んでくる。
「あっ、もしかして、俺が歩き回りすぎて、楽しくなかったかな……?」
あまりにも真っ直ぐな瞳。その近さに、ついに俺の脳内回路は停止しかけていた。
「……りもこんが、近すぎるんだよ……」
なんて、俺には言えず、 限界ギリギリの力で、絞り出すように呟いた。
「なんでも、ない、よ……」
「……うそつき」
時に鋭いりもこんを見て、俺は、嘘なんかもうつけなかった。
「ご、ごめん、隠そうとか、そういうことじゃなくて……その……」
「りもこんの、距離が近くて、ドキドキしてただけで……楽しくなかったとか、そんなんじゃ……!!」
俺が途中で固まると、りもこんはきょとんとした顔で、
「……俺、近いかな?」
と、俺に聞く。そう言われて俺は、 「もうダメだ」と机に突っ伏した。
「かわいい……もう、ほんと、そういうところ……」
「ん? なにが?」
「……なんでもない。……とりあえず、今は俺のこと見ないで……頭がパンクしそうだから……」
机の上で赤面し、耳まで真っ赤にして悶える俺を見て、りもこんは不思議そうに首を傾げた。
「ふーん、まぁ、いいや。」
「てかふうはや、ほんとに今日元気なかったけど、体調とか、大丈夫?なんかの病気?」
「……恋の病、だよ、」
ボソッと呟いた言葉は、カフェの雑踏にかき消された。
まだ何も分かっていない無自覚なりもこんと、すべてを意識しすぎて崩壊寸前の俺。
この絶妙に噛み合わないけど仲良しで、ラブラブな初々しい時間。
時に鋭く、時に鈍感なりもこんが、 俺は
……これからもずっと、大好きだ。
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付き合いたてっていう設定で、ふうはやさんが
とにかく可愛く見えるように、書きました。🫶🏻
次回もぜひ💕💕
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コメント
4件
なんでこんな深夜に見てしまったんだ( ᐛ ) スゥー⤴︎さいなら😇
ふうはや彡がピュア?でめっちゃ可愛いし りもこん彡が無自覚なの破壊力がすごくて口角が空に飛んでいきました(?)