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それからクラスメートたちは教室で僕と彼女が何か話すたびに、公園で睦まじく遊ぶ母子を見守る老人たちのような笑みを浮かべていた。もちろんクラスメートたちにとって僕は幼児で彼女は保護者に見えていることだろう。世の中理不尽すぎる。でも今は耐えるしかない。
さらに彼女にとって幸運だったことがある。リクという先輩にセフレ扱いされたことを知っている生徒が校内に大勢いると彼女は心配していたが、彼女とリクの学年が違ったこともあり、どうやらこのクラスでそれを知っているのは僕以外にはいないようだ。知っていれば約束通り僕と恋人になるという彼女の発言に対して拍手なんてできないだろうから。
放課後、彼女は僕を僕の自宅まで送りたいと言った。
「まさか一人にしたら僕がまた自殺未遂しそうで心配だからと言いふらして、またみんなの同情を集めるつもり?」
「そうじゃない。恋人同士として少しでも長く話していたいだけだ。学校じゃみんなに見られていて落ちつかないしな」
話したいことなら僕の方にもたくさんある。彼女に悪意はなさそうだったし、いいけどと返事した。