テラーノベル
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三日間の出向は無事に終了した。
というか、受付業務のレクチャーをしたのなんて最初の数時間だけで、後は社長室の掃除をさせられていたようなもんだ。
「これで、いいですか?」
「随分すっきりした。助かったよ」
「私が見てよかったんですか、この辺の書類」
「君は知識がないからどうせ読んでも分からないだろう?」
たしかにね。IPアドレスとかゲートウェイとか、見ても内容なんて全然分からないから、同じ資料が複数閉じられているところから重複部分を抜き出したりとか、単純なことしかしていない。
ふと、視線を感じて顔を上げると、深山さんと目が合う。
真面目な表情は、私を責めているようにも憐れんでいるようにも思えた。
「……会社辞めて、どうする気なんだ?」
「深山さんには関係ないです」
「君は恩人の娘だ」
「だとしても、助けたのは父であって、私じゃないです。深山さんに恩義を感じてもらうことなんてありません」
できるだけそっけなく聞こえるように、声のトーンを落とした。
「じゃあ」
突然視界が暗くなった。横を向くと、壁に手をついた深山さんが真剣な顔で私を見ていた。
あ、やっぱり気になる、眉毛の傷跡。なんだか見入ってしまう。
「俺が君を心配だからって言ったらどうする?」
熱っぽい瞳に見つめられて、勘違いしそうになるけれど、いつかの会話を思い出して躊躇する。
「深山さん、私を口説く気はないって言ったじゃないですか。からかわないでください」
「からかってないよ。状況が変わった。……最初は、甘ったれた女だなと思っていたんだ。あんな目に見えるような形で反抗するなら、ちゃんと口でいえばいいのにって。……なのに思い立ったら遠田社長に退職宣言だもんな。正直ビビったよ。目が離したくないと思うと同時に、今、手を離したら、もう捕まえられないような気がしている。それはつまり、捕まえたいってことだろ? 多分俺は、君が好きなんだよ」
鷹槻れん

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鷹槻れん

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月詠 涼
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コメント
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第45話、読み終えました。出向の実態が社長室の掃除だったというオチがまず微笑ましくて、でもその後の深山さんの豹変にドキドキしましたね。「あんな目に見える形で反抗するなら」って言葉が、実はちゃんと主人公を見てたんだなって感じがして。壁ドンからの「多分俺は、君が好きなんだよ」は強引すぎるけど、眉毛の傷跡が気になるって主人公の視線がまた絶妙で。この二人、どうなるんだろう…続きが気になります!