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「……っ、いった……」
朝の光が差し込む布団の中。
理央は目を覚ますと、すぐに腰の鈍い痛みに顔をしかめた。
脚を少しでも動かすたびに、ピリピリとした違和感が走る。
腰と、奥の方が……重たいような、火照ったような、妙な感覚。
「……最悪だ。ほんと、バカ……っ」
昨日――
「理央の腰、細すぎ……唆るなぁ」って、
蓮が後ろから、執拗に攻めてきた夜。
あの時の声が、熱が、全部、身体の奥に残ってる。
「……やめてくださいって、ちゃんと言ったのに……っ」
思い出したくないのに、
枕に顔を埋めて息を荒げていた自分が、ふっと脳裏をよぎる。
「や、っ、ふ、ん……もう、無理……っ、やだっ、ああっ……」
「ほんと、理央、感じすぎ……めっちゃ締まる……やば……」
「っ……うるさい、バカっ、っ、黙って……っ」
そのくせ、途中から自分から腰を振ってしまったことまで、思い出す。
「…………死にたい……」
顔まで熱くなる。
あんな姿、誰にも見せたくなかったのに。
よりによって蓮なんかに――
ドンッ、と枕にパンチ。
「最低です、蓮くん……!」
でも、
「理央、可愛すぎて、もっとしたくなる」
「腰細くて、掴んだだけで折れそうだった」
――って、真剣な顔で言ってきたの、最悪だった。
「っ……思い出すな……!」
制服に着替えようと立ち上がった瞬間、また腰に痛み。
「っ……はっ……いったぁ…」
ぴくっと膝が震えて、まともに歩けない。
「ほんと……もう……歩けないじゃないですか……っ…許しません…」
そのとき、スマホがピロンと鳴る。
開いてみれば、蓮からのメッセージ。
『昨日の理央、世界一えっちで可愛かったです🥹💕
今日、迎えに行くね。歩けなかったらお姫様抱っこしてあげる🫶』
「………………絶対来るな」
顔を真っ赤にしながら、理央はスマホを枕に叩きつけた。
でも。
ぎこちない足取りで、家の前に出ると――
すでに待っていた蓮がにっこり笑って言った。
「理央、おはよ。ほら、歩けないでしょ? 抱っこしてあげる」
「……近づかないでください。殺しますよ」
「でも顔、真っ赤」
「違います、体温が高いだけです……っ!」
ぎゅっと口を結んで、でも赤い耳を隠せないまま。
理央は蓮に、無言で寄りかかって歩き出した。