「カンナさまカンナさま!
拙、カンナさまにお願いがありやす!」
ある日のレッスン後、この後特に仕事も入っておらず 帰る準備をしていると彼…
ライカさんに声を掛けられた。
「お願い、ですか? 」
彼からのお願いと言うのは珍し い。
少し気になった為、そのお願いとやらを聞くことにした。
「どうぞ、なんなりと言って下さい。」
僕がそう言うと彼は、ぱあぁっと顔を明るくさせて「良いんでやんすか!」とか、
「ありがとうごぜぇやす〜♪」など言いながら喜んでいる。
とても愛らしい。
僕はこの、彼の素直さがたまらなく好きなのだ。 かといって、 飛び抜け特別な感情…所謂、恋心 を持っているわけではきっと、ない。
「それで、お願いでやすがね、
えぇっと~、 確か、こういう〜、、
こうして〜、 こうするやつで ごぜぇす!!」
そんなことを考えていたら彼が何かを伝えようとしていることに気付いた。
「、?」
必死に身振り手振りで表そうとしている彼には申し訳ないが 、全く分からない。
「その動作についてネットで調べる事は可能ですか? 」
「ねっと、でやんすか?」
「一度、スマートフォンで調べてみてはどうでしょうかと。」
そう促すと、彼はなれない手つきで調べ始めた。
検索を覗いてみると「手でおす遊び」と
入力されている。
そこではた、と思い立つ。
「…もしかして、人二人がかりで押し合うあの遊び(?)ですか?」
「それでやんす!!カンナさますごい、、!」
「合ってたんですね…」
「えひひひ…あっ、カンナさま笑ってる〜♪」
「ふふ、貴方も笑っていますよ。」
僕はそう言いながら彼の頬をつついてやった。
「では茶番はここまで、今からその遊びを初めましょうか。」
「そうでやんすね!!たのしみ~♪ 」
「…と言いたいところ ですが、ここは職場内ですので帰って僕の部屋でやりましょう。同室の方々は今日はまだ帰ってこないので。」
「うぅ~、分かりやした、、。」
今できないことが残念なのか、ライカさんはあからさまにしよぼん、としている。
ここは早めに帰って遊んであげるのが良いだろう。
「そんな顔しないで下さい。ほら、
飴さんですよ。」
「飴さん!うわぁい♪」
そんなやり取りをして帰る支度をまた続けるライカさんと僕。
だけれど、この後その遊びによってあるアクシデントがおこってしまうことを無知な僕らはまだ知らない。
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