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 僕の部屋につくと、ライカさんが「待ってました」とでも言うかのように目を輝かせながらこちらを覗ってきた。
 
 「では、初めましょうか。」
「あい!」
 僕の合図に元気良く 応答した彼は、ぴょこぴょこという効果音がよく似合う 歩き方で移動し、僕に向かい合う位置に立った。
 
 その時、僕はふと考えた。
 この遊びによって得られるものは何だというのか。
それは、僕にどのような影響を与えるものなのか。
 僕も少し、興味が惹かれた。
ということで、少し遠回しに聞いてみましょうか。
 「ライカさんは、この遊びをした事はあるのですか? 前に一度、外でこのような遊びをしている子供達を見たことがあるのですが、僕、こういうものには疎くて…」
 「いやいや!やったことはありやせん!
でも安心してつかあさい!見たことはありやすので!きっと出来るはず、、!」
 ということは、僕達は初心者…ライカさんもこの行動によって得られるものが分からない、ということでしょうか…。
 なんとも行き当たりばったりな行動だが、遊びにそこまで理解性を求める必要は無い。
 
 「ライカさんも、この遊びによって得られるものが何かは分からない、と言うことですか?」
 「えられるもの、、? 楽しい、という気持ちじゃないんでやしょうか?」
 
 気持ち……?
よくわからなくなってきましたね……。
後で今日体験したことを分析する為に
しっかりと取り組まなくては。
 
 ………何故遊び如きに僕はこんなにも悩んでいるのでしょう…。
 「ーーンナさま、カンナさま?」
「、?、」
「!」
 気が付くと、ライカさんは心配そうな面持ちで俯いたままの僕の顔を横から覗き込むようにこちらを見ていた。
 内心、驚きながらも平常心を繕った。
 「あ、あぁ、ごめ、すみません。
少し集中し過ぎました。」
 、が無望。自分でも分かるほどに
心が乱れており、全く繕えていなかった。
 「カンナさまがなんかすごいことに、、!!! 」
 やはり、それはそちらにも伝わっていたらしく突っ込まれてしまった。
 「何でもありません。取り敢えず試してみましょう。」
「あい!分かりやした!」
「えっと、それじゃカンナさま!手をだしてくだせえ!」
「…こうですか?」
僕は、ライカさんに手のひらを向ける形で少し腕を伸ばした。
―その瞬間、
「えいっ♪」
「っ?!」
 僕はライカさんの力加減を知らない強さにより押し倒されてしまった 、と同時に
「ひゃああっ?!」という声と共にライカさんが僕の上に倒れ込んで来た。
 生憎、背後がベッドであったため怪我をせずに済んだ。しかし、ライカさんが上に乗っているため身体が、痛い…。
 「はわわ!すいやせん!!でもカンナさま、ちゃんと力を入れないと倒れちまいやすよ!」
「よくわかりません……それより、痛いです…、 ライカさん…」
「…はえぇ〜……!」
「…?」
「カンナさまって、こう、よく見ると…
すっごい可愛い……!」
「可愛い、ですか。そのような評価は初めてなので、あまり慣れませんね。」
「へい!カンナさまは可愛いでやんす!
いつもはかっこいいとおもっていやしたけど…」
 ライカが押し倒した状態のままカンナにそう言った。
それはそれと、この状態で言われても……
 「あの、退いて頂けませんか…?」
「…う〜ん…」
「…大丈夫ですか、?具合が悪いのなら簡単なものを用意しますが…」
「…いや、違いやす!よく分からないんでやすけど、拙、カンナさまと離れたくありやせん!!」
「……え?」
 それは…、どういうことなのでしょうか。
 「あの、どういうことですか?」
「え、えっと、だから、カンナさまから離れたくありやせん!//」
 えっ、…ずっとこのまま…?
 「ずっとこのままは少々厳しいのですが…」
「ッ……」
「あの、ライカさん……?」
 しょぼんとした表情を浮かべるライカさん。
どうしたものか。と考えていたら、
ライカさんが急に抱きついてきた。
 「どうしたんですか、?、やっぱり何処か悪いのですか?!」
「…カンナさまの鈍感…!!」
 そういってライカさんは僕の上から退き、ベッドに踞まった。その声は、心做しか絞り出したようなものだった。気がする。
 僕はいまいち状況を飲み込めず、理解を進めることで精一杯 だった。