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ー依央利視点ー


ちょっと言い過ぎたなぁ…大瀬さん、明らかにしょんぼりしてるし…。

はぁ…僕って本当に空っぽ、駄目だな…。

でも、大瀬さんだってそうだ。毎日僕が捺印を迫ってるのに、一向に僕の奴隷契約を結んでくれない。なのに、「放って置いて」なんて…ずるい。僕だって、大瀬さんを大切に……

「なんかさ〜、今日依央利元気無くない?」

朝食で作ったパンケーキを食べながらテラさんが言った。

「え、僕ですか?全然そんな事ないですよ!あははっ」

僕…顔に出てたのかな。もっとしっかりしなきゃ、滅私、貢献、奉仕…!!僕はカリスマハウスの奴隷なんだから!

皆んなが食べ終わったタイミングで、お皿をまとめ、そのまま洗ってしまおうと思い、シンクまで運んだ。

「〜♪」

今朝の事を掻き消すように鼻歌を歌う。でも、大瀬さんには謝っておくほうがいいよね。

手元でパリン、と大きな音が鳴った。

「あー……っ痛」

破片が指に刺さったようだ。集中してちゃんとやらないからこうなったんだ。全く、奴隷としての精神が足りないな…。

すれ違い、また出会う。

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