⚠︎︎
・CP意識してません
・サイスト読めてないところあります
・捏造・謎解釈有りです
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俺は人と少し違った暮らしをしてきたと思う。
父との過酷なピアノのやヴァイオリンのレッスン、兄のようになりなさいと、
そういう目でしか俺を見てくれなかった。ずっと、そうだと思っていた。
反抗したのは中学へ入ってからだ。
学校帰り、急いで帰ろうとした時、行ったことのない裏道を使って帰りたいと思った。
その時はただの興味心だったけれどこれがきっかけで父に反抗するようになったとは思いもしないだろう。
所々のグラフィティ、所々から聞こえる歌、
案外悪くないなと感じた。
そんな中、あるひとつの歌声が俺の耳へ届いた。誰かが歌っていた。まだ歌に荒いところはあるが不思議と引き込まれていくような感じがした。
「盛り上がってるかお前ら!!!!」
男がそう叫ぶ度歓声が大きくなる
ここで歌いたい。
この男と一緒に歌ってみたい。
ただただそう思った。
これをきっかけに反抗するまでそう長くは掛からなかった。
いつかやめてやる、とは思っていたので今更後悔はない。あの男が歌っていたところの近くで早速歌ってみる。
クラシックをやってきたお陰か、人前に立つということは案外抵抗なしにできた。
歌う曲は最近投稿サイトで見かけた曲にした。
確か、あの男も歌っていたような気がする。歌っていると意外にもたくさんの人が集まった。
最初だから人なんて集まらないと思っていた。
大きな歓声、それはあの男が受けていたように。
まるでテレビで見るような人気者にでもなったようだ。
刺すような目線が痛い発表会より、ずっとマシだった。俺の歌でこんなにも喜んでくれる。それだけで 少し救われた気がした。
3曲目を歌い終わった後、とある人物が途中俺にこう言った。
「なぁ、オマエ、オレと歌ってみねぇ?」
これを断ってしまえばもうそのチャンスはないと思ってもいいかもしれない。
俺の運命を変えた相手からだった。
まさか俺の曲を聞いてくれたなんて思わなかったし、
一緒にやらないかと聞かれてさらに信じられなくなった。
「…別に構わない。」
「そうこなくっちゃ。曲は最初にオマエが歌ってたやつでいいか?」
「…!あぁ、大丈夫だ。」
最初に歌った曲…?まさか、最初から俺の歌を聴いていたのか?
嬉しさと驚き混じりの返事をした。
曲のイントロが終わり始まる。
自分の全力を出し切りその曲に命を吹き込む。
「———!!!!」
「————————!!!!!」
少し、目があった気がした。
『——!!—————!!!』
初めて歌ったとは思えない。見事なハモリだったと思う。
さらに歓声が大きくなった。あぁ、楽しい。一人で歌うより、あの男と歌う方が。
あっという間にライブは終わっていた。聴いてくてた人へ感謝の言葉を送りその場を後にしようとした。
「なぁ!オマエの歌、すげぇ良かった。」
「…!そう、ですか。」
「今まで一緒に歌ってきた奴の中で一番。楽しかった。」
「……」
「オマエが良ければだけど、オレと組まねぇ?」
「…!いい、のか?」
「いい、って…別にオレから提案してきたんだし…。」
「!!その、よければ、一緒に組みたい。」
「…!なら、オレは東雲彰人、よろしくな、相棒!」
「!あぁ。青柳冬弥だ。よろしく頼む、相棒。」
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