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「あのね、まず言っておきたいのは、私は貴君とはただの気の合う友達ってこと。ま、色々あったけど。それは私のせいでもあるけど」
待ち合わせたカフェで、さっさと本題を切り出す。
「楽しいことは、みんなでしようよ。奥さんのことも考えると、それがいい。貴君にはまだ話してなかったけど、私、離婚したの。せっかく自由になったのにまた不自由な関係は、イヤだなって思って」
「気の合う友達か…」
「色々、付き合ってくれてありがとうね。これからは奥さんと仲良くして、さっさと子どもつくってお母さんを安心させてあげて」
スラスラ言えた。
私の心にはもう貴君を思う気持ちはない。
「そうか…、わかったよ」
「相談なら乗るけど。でも奥さんの味方しちゃうかな?ほら、私、LINE交換したから」
「え?いつのまに?」
バイト先でだいぶ前に、なんだけど。
「じゃ、そういうことで、帰ります」
さっさと席を立つ。
買い物して帰って晩御飯を作ろうっと。
カフェを出てスーパーへ向かう。
少々呆気に取られていた貴君だったなぁ。
振り回したのは私だから、そこは申し訳ないと思うけど。
ニシちゃんと幸せになってほしい。
ニシちゃんに綾菜のような気持ちになって欲しくない。
「ただいま!タロウ、また玄関で寝てたの?」
玄関マットの上のタロウを避けて、スリッパを履く。
今夜は、茄子の煮浸しとホッケの塩焼き、もつ煮。
ツマミばかりだけど、それは、旦那と呑みたくなったから。
最近、結婚してた時より話すようになったと思う。
今ではいい飲み友達だ。
ガチャリと玄関が開いて旦那が帰ってきた。
さて、何から話そうかな?