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心が温まるやりとりを思い出している僕を、創造主は微妙な表情で見下ろしながら手の中の光を消し去り、ため息交じりに告げる。


「彼奴の腹の中は、真っ黒だからな。さぞかしおまえの存在そのものが、光り輝いて見えたことだろう」

「僕は、いつまでも光り輝いていたいです。彼の中にある黒いものが、全部なくなるくらいに」


さっきから健吾さんを馬鹿にする発言ばかりするので、あえてそれに乗っかってやった。


「実際にそうなったときは、輝きに満ち溢れて眩いであろうな。結果的には、おまえという光が要らなくなるのではないか?」

「そのときは僕が、真っ黒になればいいだけだと思います」


意外そうな表情を浮かべた創造主を見ながら、驚くことを告げてみた。


「ふっ、やけくそになったのか」


(そう思われてもしょうがない。この会話そのものが、まるでオセロゲームみたいだし)


「僕はただ、一番好きな人の一番でいたいだけです。望むのはそれだけ。そのために、努力を惜しみません」

「やれやれ。そろそろ別れる時分だと思って現れてみたのに、杞憂だったみたいだな」

「えっ!?」

「どこにでもいるおまえに、彼奴が飽きると見越していた。これまでの交際期間を考えたら、妥当な頃合いだと思ったのだがな」


言いながら指を折っていく創造主の手元を、穴が開く勢いで、じぃっと見つめてしまった。


「あのぅ、健吾さんはそんなに、飽き性だったのでしょうか?」

「まがい物の優しさに騙される、可哀想な男たちが、彼奴が張っていた蜘蛛の糸に引っかかるように釣れていたからな。長くてもせいぜい、3ヶ月くらいと記憶している。最短で1週間だった」

「短っ……」


胸元に当てていた手で、心臓部分をぎゅっと握りしめた。

飽きられ見捨てられないようにするには、どうすればいいのか考えを巡らせてみたものの、そんな技量は僕にはなくて――。


「おまえが見捨てられない理由は、何だと思う?」


創造主に問いかけられて、それについてはじめて考慮する。


(一緒にいて和むとか居心地がいいとか、そんな理由じゃない。きっと、必然的なものかもしれないな)

歪んだ関係~夢で逢えたら~

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