テラーノベル
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「あんたに惚れました!! 付き合って下さい!!」
「ガキが、五年早えんだよ」
「五年経ったら付き合ってくれんの?」
「お前が女だったら可能性はあったな」
「そっか、うぅ、ううぅ、ひっく!! うぅ」
「そうやって素直に泣いてろ、いつか馬鹿話っていう思い出になるぜ」
「うぅ、思い出になんか、ううぅ、ならねぇよ!!」
「そうか、さっさと諦めて帰んな。ガキんちょ」
以上が俺、淀川真澄が一ノ瀬四季に告白された時の遣り取りである。無陀野無人、花魅坂京夜、並木度馨に比べると百倍ほど可愛い反応と言える。だからといって絆されたりはしないのが俺だ。それに一ノ瀬四季はまだ諦めてないらしい、馨の古本屋宛てに俺への手紙を送ってくる。
”訓練マジ厳しい。ムダせんマジ鬼。でも俺まだ諦めねぇから”
”そっちは無事? あんたが凄いのは知ってるけどマジ心配”
”この手紙書いてたら同室の奴にからかわれた、好きな奴に書いてんだって言ったら何故か黙って口きいてくれなくなった。変な奴だろ(笑)”
”返信くれないのは予想してたけど、俺マジで惚れてるから諦めねぇ”
”訓練に行くからしばらく手紙が書けない、いらねぇつーのって顔してそうだな”
”久しぶり、俺はまだあんたが好きです”
”本当に無事でいてくれよ、ムダせんにあんたのこと聞いたら説教された、なんでだ?”
”チャラせんがあんたに会ったって言ってた、無事で安心した”
”これ読んでもらえてないのかもしれないけど、あんたが好きだ”
”俺は絶対諦めねぇから、無事でいてくれよな”
「馨、そろそろ一ノ瀬四季からの手紙、読むの止めていいか?」
「可哀そうじゃないですか、可能性が無いとしても読むだけ読んでやってください」
「お前はライバルにも寛容なんだな」
「えっ!? 一ノ瀬くんはライバルですか?」
「五年早い」
「それじゃ、五年経てばライバルになる可能性があるんですね」
「百年早い」
「……なんだか一ノ瀬くんが可哀そうになってきました」
俺も偵察部隊隊長だから暇じゃねぇ、だから一ノ瀬からの手紙を読むのもめんどくせぇ。それでも読んでいるのはなんだかくすぐったい気持ちがするからだ。無事かとか、マジで好きだとか、子どもにありがちな表現だ。でもそれが一ノ瀬四季の一生懸命具合が分かって面白い。そうして何故か俺をくすぐったい気持ちにさせる。無陀野の奴が言ってた。
「そうか四季が今の一番のお気に入りか」
あながちその言葉は間違っちゃいねぇ、任務から帰って来て馨から一ノ瀬の手紙を貰うとくすぐったい気持ちがする。それがどうにも悪い気分ではない、だからか任務が重なって疲れ切っている時、俺は羅刹学園の寮に電話をかけた。もちろん絶対に無陀野には内緒でだ。
「はい、俺が四季だけど名称不明の誰かって、あんた誰?」
「もう俺の存在を忘れたか? 無陀野にバレるとお前は殺されるから俺の名前は出すなよ」
「あ、あんたか。そっか無事なんだ、良かった」
「それだけか」
「今でもあんたに惚れてます。ちょっと泣いたくらいじゃ諦めねぇ」
「無陀野に聞かれてないだろうな、お前殺されるぞ」
「ムダせんならチャラせんとこいった。久しぶりに声が聞けてマジ嬉しい」
「あの二人が結託したら、碌なことをしなさそうだな」
「え? 大丈夫?」
「結託したらだ、ただ話に行っただけだとは思うがな」
「はははっ。声が聞けてマジ嬉しい。それで用件は何?」
「何でもない、馬鹿が諦めたか。確認しただけだ」
「それなら俺は絶対諦めねぇからな」
「そうか、分かった」
とそこで俺は一ノ瀬との電話を切った。久しぶりに一ノ瀬の声を聞いたが相変わらず真っすぐな奴だ。そいつが俺に惚れてると思うと何故か面白い、仕事での疲れが吹っ飛ぶような気持ちがした。
「春で俺もいかれてんのかな」
コメント
1件
あああッ!!💥 めっちゃエモい回じゃんこれ!!😭💗 告白シーンの「ガキが五年早え」から始まる距離感がもう最高すぎる… でも読んでるこっちとしては「五年経ったら…?」って期待しちゃうし、四季の真っすぐな手紙がじわじわ胸に刺さる…「無事でいてくれよな」の響きよ🥺✨ 最後に真澄が自ら電話かけちゃうとことか、絶対絆されてるやつじゃん!!「春でいかれてんのかな」には悶えたわ…。このじれったい二人をもっと見たいです、次回も全力待機!!🌸🔥