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全然機能に慣れない…難しいです。
第二話 悪い夢
その日僕は夢を見た。それがあんなことになるとは…
その夢はなんの変哲もない普通の日常だったんだ。でも明らかにおかしい点が一つだけあったんだ。彼女がいないんだ。何処を探しても、友人にベルの事を聞いても返事は「誰それ…チェレンの友達?」しか返ってこない。とても怖くてその場にへたりこんで、僕は赤ん坊のように泣きじゃくってしまった。僕が一体君に何をしたというんだ。あぁ…ベル……もし、君を傷つけてしまったのなら今すぐにでも謝りたいよ。ごめん…ごめん…ベル…君のいない世界なんて考えられないよ。あぁ…ごめんなさい悪い夢なら早く覚めて…
ハァハァハァ、変な夢だったなぁ…汗と涙で顔がありえないぐらい濡れている。服も汗でグッショリしている。
ふと、シーツを引っ張られたので横を見ると心配そうにムーランドがこちらを見ていた。彼が起こしてくれたのだろう。
「心配してくれてありがとう、ムーランド。もう大丈夫だから…ね?」
そう言いながら安心させるために頭を撫でてやると、もう一回寝てしまった。外がまだ暗いので時計を見ると、まだ朝の五時半だった。もう一度僕も寝ようとしたがまた同じ様な夢を見るんじゃないかと思うと怖い。こんな時間に起きるのも珍しい。そうだ、散歩にでも行こう!気分転換にもなるだろうし…
朝の海岸はとても気持ちがいい。まだ太陽が昇っていないため暗いが新鮮な空気が全身に行き渡って、心を落ち着かせてくれるのが分かる。潮風が気持ちいい。折角ならムーランドも連れて来ればよかったな。近くにあったベンチに腰かけるとまた頭の中にはベルがいる。僕は君に嫌われたくないよ…そんな事を考えていると、一体どれ程の時間が経ったのだろうか、朝日が昇り始めていた。波が太陽の光で反射しているところは綺麗だと見惚れていると、目の前にいきなりムシャーナが現れた。きっとこの野生のムシャーナも朝日を見に来たのだろう。…ん?野生のポケモン?そんなことはあり得ないはずだ。何故ならここは人口島パシオで、野生のポケモンはいないはず。なら誰のムシャーナなんだ?
「オーイ、ムシャ~ナ、どこ行っちゃったのぉ?」
遠くから声がする。はじめは誰か分からなかったが、彼女の声だ。近付いてくる。
「あっ!ムシャーナ!探したんだよぉ。隣にいる人って…あれ?もしかしてチェレン!?」
「あっ…ベル…久しぶり?」
どうしよう。トウヤからの返事はまだきてない。僕はどうしたら良いんだ…彼女をまた傷つけてしまうかも知れない…怖いよ…