テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
個人ランク戦のブース。ナマエが別チームの男子隊員と話しているのを、出水は遠くから見ていた。
(……なんか、距離近くね?)
別に、付き合ってるわけじゃない。
でも、なんか……なんか気に食わない。
「でさー、今度の休日に──」
男子の言葉に、ナマエがぱっと笑顔で返す
「おーい、ナマエー!」
突然、出水が後ろからナマエの肩に腕を回す。
驚くナマエと、固まる男子隊員。
「な、なに?」
「…俺とランク戦すんぞ。あ、悪いね、こいつ借りてくわ」
「え、ちょ、待って──!」
そのまま強引に連れ出す出水。
入りかけた瞬間、ナマエは腕を振りほどいた。
『ちょっと!急になんですか!』
「別にー?ただ、あんま距離近いから」
『……え、出水先輩、もしかしてヤキモチ?』
「はぁ?そんなわけ──」
『わかりやす。耳まで真っ赤だよ?』
「うるさいな……」
照れ隠しに前を歩く出水の背中を、ナマエはニヤニヤしながら追いかけた。
『ねえ、私が他の人と話すのダメなんですかー?』
「……ダメとは言わないけど」
『けど?』
「俺と話す時間減るのはイヤ、だし」
『……っ!』
急にストレートなこと言うから、ナマエの方が真っ赤になる。
『そ、そんなこと言うなら──』
「なら?」
『今度の休日、先輩と一緒に過ごしてあげても?』
「……ふーん、俺とデート?」
『ち、違う!……でも、まあ、そんな感じ!』
にやりと笑う出水。
内心では“やった”とガッツポーズを決めていた。
ーー
新しく長編作る予定です。隠岐くんか犬飼です。どちみちバドエン。両片思い×死ネタという報われない恋が好きです。