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#独占欲
#ワンナイトラブ
#溺愛
「夫は私の外出を怪しんでるから……」
「だからしばらくは週末の出勤も控えようかなって」
「妊婦健診はちゃんと行ってる?」
「ちょうど今週行く予定してる」
「それもあって平日半休取って行くようにしてるの」
「なら俺も一緒に行くよ」
(——え!?)
「それなら二人の時間そこで作れるだろ?」
「ごめん、そろそろ次のスケジュールが」
「予定の日時送っといて、スケジュール空けとくから」
多忙なリュカを気遣いもせず
気付けば時間一杯まで独占してしまっていた
「う、うん、わかった、送っとくね」
「ありがと、ごめんね忙しいのに」
「問題ないよ」
リュカはそう言うと
私の頭を撫でながら
慌ただしく私を見送ってくれた
***
リュカは
業務中にもかかわらず
私の為にわざわざ時間を割いてくれた
慌ただしく時間に追われながらも
私の頭を撫でて気遣ってくれた
そんな何気ない
日常の傍らにある
ともすれば忘れがちな
ともすれば埋もれがちな
小さな気配りをも疎かにせず
大切にしてくれる姿勢に想いが伝わる
嬉しかった
それにしても……
純也はリュカの存在を認知し始めている
不気味なメッセージの差出人は
鈴木さんの可能性が高い
またしても頭痛の種が増えてしまった
次から次へと
とめどなく湧いてくる
不安でたまらない
怖くてたまらない
以前ならそうだった
でも
今は違う
信頼できる人ができた
それだけで心持ちが大きく違う
前向きであろうとする気持ちが
不安な気持ちを上回る
本当にリュカに出会えて良かった
リュカの存在が
不安定な今の私を支えてくれている
早速
次の定期健診の予定を送信する
会議中にもかかわらず
即了承の返信が来た
リュカは
私を不安にさせない
いつも味方で
いつも側にいてくれる
世界で一番大切な人
***
引き続き会社には
診察の為の通院という理由で
午後半休の申請をした
伊藤さんへも同様にそう伝え
業務の進捗管理を行い
懸念点とボトルネックの事前対応を行う
幾度となく欠席することに罪悪感を覚えるも
当の伊藤さんはどこ吹く風
いつも快く送り出してくれる
本当に良くできた後輩で感謝しかない
***
「うん、順調ですね」
そう言って
担当医はレントゲン写真を見せてくれた
何より安心した
今
何より大切なお腹の子
混沌とした状況下
至らぬ自分
それでも健やかに育ってくれていることに
神に感謝をする
微少ながら
レントゲン写真に写る我が子に実感が湧き
愛おしさが込み上げる
多大なる不安を抱える中で
これ以上に嬉しいことはない
不安と喜びが競合する不安定な私を
何より強く後押ししてくれる
「どこか体調が優れないところはないですか?」
「ん……少しメンタル面が不安定でして」
「わかりました、お薬出しときますね」
「妊娠中は誰にも起こることなので過度な心配は無用ですよ」
担当医の先生は
そう言って笑顔で送り出してくれた
***
「お、どうだった?」
待合室に戻ると
そこにはリュカの姿があった
まさか病院の中まで来てくれるなんて
嬉しさと気恥ずかしさに赤面する
「来てくれたんだ!ありがとう!」
「おかげ様で万事順調だった!」
「お~良かった!本当に何よりだよ!」
駆けつけてくれたリュカは
満面の笑みで
まるで自分事のように
私と
我が子の無事を喜んでくれた
近隣の保険薬局の長椅子に
横並びに寄り添い座り
出された処方箋を待つ
「水川さん、水川瑠奈さん!」
呼ばれた名前に呼応し席を立つ
リュカと目を合わせ
行ってくるねの目配せをし
受付へ処方箋を受け取りに行く
「旦那さんですか?仲が良さそうで何よりです」
「お大事にどうぞ」
何か勘違いをされてしまった
満更でもなく
思わず笑みが零れる
「ん?何かあった?」
「ううん、何でもない」
そう言って
腕組みをしたい衝動を抑えながら
私たちは薬局を後にした
「お昼まだだろ?どこかで食べようか?」
とうにランチタイムも過ぎた都心の街中
準備中の看板が目立つ
結局入店したのは相も変わらずファミレス
リュカと居ると
何故かこうなるいつもの展開
相変わらずハンバーグを食べるリュカと
食欲旺盛で食後のスイーツまで企む私
結局
釣られてリュカもスイーツを食べながら
ドリンクバーを肴に
相談したかった話題に触れる
これからのこと
離婚のこと