俺がついた頃にはもうすでに海は真っ黒になっていて、うるみやの下半身は闇に包み込まれていた。
橙「しゃる…」
俺の存在に気づいた君はきょとんとした顔でこちらを見つめた。
青「こっちにおいで?」
青「海、冷たいでしょ?」
きっと何かあったんだ。
なるべく刺激しないように。優しく声をかけた。
橙「無理や」
橙「そっちには行けん」
橙「俺が一緒におったら駄目」
青「そんなことないよ?」
青「俺はうるみやと一緒じゃなきゃ嫌なの」
君がどう思おうと俺は君と一緒がいい。
橙「だってうるみや好かれてへんもんッ」
橙「みんなうるみやのこといらんっていうんやもんッ」
橙「みんなうるさいってッ」
橙「うざいってッ…」
橙「クロノヴァにいらんってッ…ポロッ」
橙「うるみやも頑張ってるんやもんポロポロ」
冷たくて重たい水を掻き分けながらうるみやの方へ向かう
橙「いややッこっちこんとってッ」
君の気持ちなんてもう関係ない。
これ以上自分で自分を傷つける言葉を吐かないで。
青「ギュッ」
濡れてびしょびしょになった手で思いっきりうるみやを抱きしめた。
うるみやはあの日と同じように少し驚いて、指先に触れた。
青「頑張ったね」
青「頑張ってて偉いね」
青「大好きだよ」
青「ずっと愛してる」
青「うるみやがいないとクロノヴァじゃない」
青「戻ってきてほしい」
君も誰かの言葉を信じているみたいだけど、
俺は誰かの言葉よりも今発する言葉のほうが大事だったって君に教えてもらった。
橙「ごめんなさい…」
橙「うるみやが悪かってん…」
橙「気にしちゃ駄目やってわかってたのに……」
橙「ほんまはしゃるもこう思ってるんちゃうかなって」
橙「メンバーも他のタレントさんも、社員さんもッ…」
君がいないとクロノヴァも、会社も空気がぜんぜん違う。
君はほんとに愛されてるんだって、痛いほど分かった。
青「みんな心配してたんだよ」
青「うるみや1人いないだけで、会社も、家も雰囲気がぜんぜん違うの」
青「うるみやがいないだけで、冷たくて寂しくなる」
青「うちに帰ろう?」
橙「でもッ…」
橙「みんなに顔向けられへんッ」
橙「今度こそいらんって思われとる」
青「もしみんなが怒ってたら俺も一緒に謝る」
青「もしみんながクロノヴァを辞めろって言ったら俺も一緒に辞める」
青「うるみやがいなくなって分かった」
青「俺にはうるみやがいないと駄目だった」
青「一緒に帰ろう」
橙「う”んッ…」
青「泣かないで?w」
あの後うるみやを事務所に連れていって、一緒に謝った。
メンバーも、社長も、他のタレントさんも、社員さんですら誰一人起こっている人はいなかった。
下半身ずぶ濡れで行ったからびっくりしている人はいたけどw
もちろん車もずぶ濡れ。シートに防水カバーつけておいたから中まではしみなかったけど…
橙「ごめんな」
橙「しゃるも謝らせて…」
青「俺が一緒に謝るって言ったんだから!」
青「気にしないで?」
橙「でも…」
青「いいの!」
青「俺はうるみやが家にいるだけで嬉しいの、」
青「おかえり。」
橙「!」
橙「ただいま!」
コメント
2件
よかった^ ^やっぱりグループは一人一人が大事!