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まなこ〜友
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#ますしき
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朝のシーン、雅の「一緒に起きてくれたらもっかい犯していこうと思ったのに」がクズなのに甘くてずるいですね。でも一番引っかかったのは玲くんの急な告白。「本気なのに」と言われても胡散臭いと切り返す主人公の冷静さに共感しつつ、あれだけ雅と距離が縮まった後だからこそ、余計に混乱する気持ちが伝わってきました。この先どう転ぶのか気になります。
翌朝、頭がまだ回らないまま身体を起こすと、隣で裸の雅が寝息を立てていた。その姿を見て、ようやく少しずつ頭が冴えてくる。
もう驚きもしない。これは私が流された結果でもあるし、二度目ともなれば騒ぐ気すら起きない。
雅の腕の中からそっと抜け出し、床に落ちていた浴衣を拾って身に着ける。そのまま洗面所に向かい、いつも通り洗顔を済ませ、着替えとメイクを始める。
鏡の前で手を動かしていると、背後から寝惚け眼の雅が体を起こしてこちらを見た。
そのぼんやりした表情ですら、ずるいほど顔が整っていて羨ましくなる。
「おはよ」
小さく笑いかけると、返事は「……はよ」とだけ返ってきた。まだ頭は寝ているらしい。
「今日、あそこのお酒買って帰りましょ。玲くんにお土産としても良さそうよね」
「……ん」
そのまま後ろから抱きついてきて、身体の重みがのしかかってくる。
「ちょっと用意しなさいよ」
「一緒に起きてくれたらもっかい犯していこうと思ったのに」
「バカじゃないの、早く用意して」
そう言いながら軽く押し退ける。
昨夜にあれだけのことをしておいて、これ以上求められたら、身体が悲鳴を上げる。
奴は少し笑うと、洗面所へと歩いていった。
昨日の夜の出来事は、まるで恋人のように甘く、求められ方も前回とは違っていた気がする。
最初は、雅もただ気の知れた遊び相手が欲しいだけなのかと思っていた。
でも、昨夜の彼には、それだけではない何かがあった。
この距離がこれ以上縮まったら、友達には戻れないかもしれない、とそんな予感が、頭の片隅にちらつく。
それとも、友達でいたいと思っていたのは、本当に私だけだったのかも。
「へー、本当に行ってきたんだ」
後日、バーでお土産を渡すと、玲くんは「お土産ありがとう」と笑顔で受け取った。
少し離れたところでは、雅が別のお客さんと楽しそうに話している。
あれから雅とは、特に連絡を深く取り合うでもなく、二人で出かけることもなく、いつも通りの関係に戻りつつあった。
「どうだった、雅との旅行。結構ちゃんとリサーチしてたんだよ、ああ見えて」
「へぇ、意外。すごく楽しかった。私のツボ抑えてきてたわ」
「そっか、恋人同士なわけではないんだよね?」
「まさか、付き合わないわよ。私と雅は」
そう言いながら笑い、顔の前で手を振る。
雅との今の関係性を言葉で説明するのは難しいけれど、間違いなく恋人ではない。
「夏帆ちゃん、今度俺とも遊びに行こうよ」
「へ……?」
予想外の誘いに、思わず間抜けな声が出る。
どうして今、玲くんにデートに誘われているのか、理解が追い付かない。
玲くんは恋愛ごとには無関心で、勝手に自分と私のタイプが似ていると思っていたはずなのに、突然、私に気があるような口ぶりで話しかけてくる。
その意図が掴めず、一瞬混乱した。
「俺、夏帆ちゃんの事気になってるんだけど」
その言葉に、玲くんと見つめ合う。
素敵な笑顔を向けられたけれど、正直、流石に胡散臭くて信じる気にはなれなかった。
玲くんは、私なんかを好きになるような人ではない。
自分の店のことだけを考え、恋愛なんて面倒だと思っている人だと、私はよく理解しているつもりだった。
それでも少し笑いながら「もう、やめてよ。思わず勘違いしそうになっちゃった」と返し、お酒を一気に飲み干す。
そのまま「お会計ね」と財布を取り出すと、玲くんも笑った。
「本気なのに。気が変わったらいつでも連絡して。待ってるから」
「気が向いたらね。ご馳走様」
お会計を済ませると、いつもなら雅に声を掛けて帰るところだが、今日は何も言わずにお店を出た。
恋愛のためにこのバーに来たわけではないのに、どうしてこんな面倒なことになってしまっているのか、自分でもまったくわからない。
軽く溜息を吐いて、その日は真っ直ぐ帰路についた。