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#願いを叶える
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『妖様へ願事』〜人を呪わば穴二つ〜
最終章 『人間と妖』
最終話 コレカラモ
あれから数年が経ち、変わらず愚かな人間達は私の元に来る。願いを乞、己の代償を支払って。本当に愚かな人間ばかり。でも、それが人間の本質だ。何かに縋らないと生きていけないから。
『……。』
私は森で捨てられた。だけど、優しい温もりだけを覚えているの。暖かい温もりが私を守ってたこと。でも、居なくなっていた。私は孤児院に預けられ、ここで育った。
『幸』どうしてその名前をつけたのか分からない。私にこの名前をつけた人に…会ってみたいな。どんな人なんだろう。一瞬でも私のことを守ってくれて、名前をつけてくれた人に。
『会いたいな…。』
『幸ちゃん!こっち来て!今日は面白い話聞かせてあげる!』
『面白い話……?』
『うん!森の中に現れる赤い鳥居をくぐるとね、願いを叶えてくれるお狐様がいてね――』
私の話はいつになっても、絶えない。人がそこにいる限り。ね。
私は幸を灯火を通して見つめる。
『大きくなったわね。幸。』
『いずれ、彼女もこちらに来るでしょうか。』
『人の噂には尾ひれがつくもの。そしてそれがどんどん広がって……。』
ぶわっ!
『大きな炎となる。幸。貴方がここに来る時は…貴方は私のことを覚えているかしら。たとえ覚えていなくても、構わないわ。一人の人間として、会いに来なさい。』
私は着物を翻し、鳥居に灯りを灯した。
さぁ、今日もまた、鳥居に花が開く。
彼岸花の、赤い華が――。
めでたしめでたし…。
コメント
1件
みぅです🤍🥀 一気に読了しました…。妖狐様が、ずっとずっと《幸》を見守ってきたんだなって思うと切なくなりました。あの「一人の人間として、会いに来なさい」っていう言葉、すごく刺さりました。神様と人間の距離感、ちゃんと残したまま、それでも想い合ってる感じが美しいです。彼岸花が咲き続ける限り、物語は終わらないんだなって。ぷちさんの紡ぐ世界観、本当に素敵でした。お疲れ様です🌙