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「···来てくれるとおもってた」
「来るしかないでしょ!俺納得してないよ、なんにも···なんで俺に相談してくれなかったの?俺たち···付き合ってるのに」
仕事終わり、家に来た元貴はすぐにそう詰め寄った。僕と2人きりの時、元貴はいつもより甘えんぼうになる気がする。
仕事の話はしたがらなくて、本当にただの恋人同士で居てくれた。
さすがに今日はそういうわけにいかなさそうだったけど。
「···ごめんね、けど3人の時に言うべきかなぁって。元貴を蔑ろにしたわけじゃないよ」
「りょうちゃん···じゃあなんで···っ」
今は素直に泣くんだ···僕に抱きついてぐすぐすと涙を流す元貴が、彼には悪いけど本当に愛おしい。
「昼間言った通りなんだよ···僕のせいでまた活動休止なんてことになるのは絶対に嫌だからね」
「りょうちゃんが帰ってくるところはここでしょ?3人でミセスでいいじゃん、いつでも戻ってきたい時に戻れるようにしておいて···」
「そんな中途半端はしたくないから」
遮るようにして言い切った僕に元貴はドンッと胸の辺りを叩く。
何回目かに叩かれたその力は弱くて強く抱きしめると力無く腕をだらんと下ろした。
「俺、認められない···そんなの嫌だ、やだから···辞めないで、遠くに行かないで、俺を置いて行くなんて」
僕だって本当はそんなことしたくない。ずっとそばにいるつもりだったんだけどなぁ···。
「ごめんね、元貴···」
「りょうちゃんに毎日会えないなんてやだ、寂しいよ···遠距離恋愛なんて」
更に傷つけるとわかって心臓が痛くなる。僕はどれだけ元貴を幸せに出来ただろうか?こんなに悲しませてこんなことなら付き合わなければ良かった、とか思わせてまうかな。
「遠距離恋愛はしない。元貴、僕とは別れて欲しい」
びくっ、と腕の中で元貴が震えて思いっきり押された僕は少しふらついてしまった。
「なんて······?」
「···僕と別れてください」
ぎゅっと拳を握り元貴の頬を伝った涙がポトッ、ポトッと床に落ちた。
「絶対別れない···辞めさせないし別れてもやらないから!!りょうちゃんのばかっ、だいきらいっ」
荷物を掴んで家から飛び出した元貴を追いかけることは出来なかった。
本当は全部嘘だよって、ごめんってどんなに叱られてもいいから無かったことにしてしまいたい。
けど自分で決めたことだから。
「ばかで、大嫌いなら普通辞めさせて別れるんだよ···元貴ってば···」
貴方のそんなところが、大好きだ。
コメント
5件

好きだから「別れる」なんて、絶対に言ってほしくなかったんだろうなって、ひしひしと伝わってくる……痛々しいほど切ないわ
続き楽しみにしてますね✨
こうもり@スランプ
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13
稀灯 夏成🩵🍸
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