“悪夢”
(大阪×東京)
※別に暗くはないよ
暗闇の中大阪は1人立っていた。
一体ここはどこなのだろう
というかなぜこんな場所に1人なのだろう
動こうにも真っ暗で何も認識できない
状況に戸惑いつつも、キョロキョロと周りを見渡していると誰かを見つけた
阪「……なんや、誰?」
恐る恐る近づく。
見覚えがあるスーツ姿と自分と同じくらいの身長
後ろを向いていてもすぐにわかる
阪「…東京、?…な、なんや東京やないか!!お前も閉じ込められたん?!」
自分一人だけではないことがわかった途端、嬉しさと安堵で自然と声が弾む
阪「なんや暗い場所で気味悪いわ〜」
軽快に話す大阪とは反対に東京は振り向くどころか何も言わない
阪「東京?どないしたんや?」
流石に変だと感じた大阪は東京の肩に手を置いて顔を覗く
“パシッ”
少しの痛みが手から伝わった
手を払われた。
いきなりの事に驚き、たじろぐ大阪に東京はやっと口を開いた
「…も……い……ませ…ん」
阪「………は、?」
声が小さすぎてよく聞き取れない
聞き返そうとすると東京はまた言葉を発した
今度ははっきり聞こえた。
「もういりません。」
“いらない”
どういうことなのだろうか
理解に苦しむ大阪に東京は更に続ける
「大阪さん。僕知ってますよ。二度と話しかけないで。関わらないでください」
阪「…え、」
わからない
一体なんの事だ
棘のある言葉を浴びながらも必死に思考を巡らせる
「さようなら。」
そう言って去っていく東京の背中は震えている
阪「ま、待てや!!」
しかし気持ちばかり焦って足は前に進まない。
何があったかもわからない
理解できない
知らない
なんで…
なんでなんでなんでなんでなんでなんで
ワイ、嫌われるようなことした?
思い出せない。
わからない。
阪「待って!!お願いや!…なんで、、」
離れたくない!!
今までもそうやった!!
行くな…待って、!
嫌われたくない!!
“お前だけには!!!”
阪「…………あ、」
視界には白い天井が見える
しばらくして自分の部屋のベットにいることがわかった
阪「………あ、れ」
起き上がると同時に視界が濁る
泣いていた
怖い夢だった。悪夢だった。
現実にはしたくない。
ー夢で良かったー
服の裾で涙を拭うと、ベットから足を出して腰掛ける
阪「はぁ〜……なんや、夢かいな」
先程認識した事をあえて口にだした
体が脱力し、重くなる
“コンコン”
誰かが部屋をノックした
きっと兵庫か京都だろう
情けない姿を見せたくなくてシャツの上に上着を羽織り、手で髪をといた
“ガチャ”
東「大丈夫ですか…うなされてましたけど、」
敬語で話す声にハッとする
ドアから顔を覗かせたのは東京だった
夢で見た姿とそっくり
阪「え、…………は、、」
今会いたくなかった人物が目の前に現れ、戸惑う。
しばらくして疑問が湧く
ここは関西だ
なぜここに東京がいるのか
阪「…なんでお前がここにおるんや」
頭の中にあったその疑問が口をついてでた。
東京は少し驚いたように目を開くと、次は呆れたという風にため息をついた。
東「なんでって…覚えてないんですか、」
阪「え…ごめん、わからん」
東「昨日、誰かさんが酔いつぶれたせいで大変だったんですけど」
思い出した
確か昨日は珍しく仕事が早く終わったため、7大都市のメンツで飲みに行ったのだ
段々と鮮明な記憶がよみがえってくる
阪「あー…せやったなー……」
東「しっかりしてください。認知症ですか」
東京は明らかに機嫌が悪い
大阪に対しては普段から可愛げがないが、今はいつも以上である
阪「あー…
わかった、わかったわ…おおきにな東京」
素直な大阪のお礼に東京は一瞬固まる
東「…変なものでも食べましたか。もしかしてドッキリ、?」
阪「お前ワイの印象どうなってんねん」
ここまでくると少し傷つく
軽くつっこむと東京は”冗談ですよ”と言い、扉に手をかけた
もう行ってしまうのか。
今は会いたくなかったはずなのになんだか寂しい。
そんな気持ちを察したのか東京は大阪の方を振り返る
東「少しは…周りに頼ってください」
阪「…っ」
そう聞いた途端大阪は反射的にベットから立ち上がり、東京の腕を掴んでいた
東「…なんですか。痛いんですけど」
握ってくる握力の強さに東京は顔をしかめる
きっとさっきの言葉は昨日の飲み会の話しだろう。
しかし、先程まで夢を見ていた大阪はそう捉えることはできない
阪「頼る……なら、」
東「はい?」
阪「頼れっちゅうたやろ?ワイが頼れんのは1位のお前だけや」
東「はぁ…」
阪「なら、安心させてや」
東「え、…」
そのまま腕を引っ張り東京が出ようとしていた部屋へ連れ戻した
つづく
書きたいけど長くなるんで、このお話が100いいねいったら続き書きます
コメント
1件
( *´艸`)ムフフ、良いでげすな♡ (大阪も東京も、(*-ω(ω-`o )))大スキッ♡だから、これはデザートだ(`・ω・´)キリッ) ……長文、すいません……。