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⚠︎ オリキャラ 男夢主
⚠︎ 原作改造
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要(かなめ)side
「…上からの伝えだ。しばらく任務は控えるようにと、」
着いたと思えばそのまま学長室に呼ばれ、俺を伺い見た夜蛾学長がそう言った。
『……。』
何も聞かずとも、この変わりように、“ 誰が ” 訪れたのかは分かっていた。
『…、』
ただ、
『…代わりはどうするん、ですか。』
まるで神でも扱うかのように物事が進むのが気に入らないだけで。
「……悟が引き受けた。」
『……、』
傑さんを、こんなにも嫌っているのかと、少し軽蔑しただけで。
『…へぇ、』
俺の強さは、そんなに信用できないのかと、腹が立って。あたって。
『……。』
自分の無力さに思い当たって、絶望している。
「…要、」
「悟が居なかったら、お前は今頃、本部で隔離されてたんだぞ。」
『……、』
知ってる。
「……悟を許してやれ。」
知ってるんだ。そんな事。
『……失礼、しました、』
とっくに、知っていた。
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一年前…
「要〜、準備できた〜?」
春。
新しい部屋で荷物整理をしていると、悟が顔を覗かせた。
『もう少し。』
「うんうん、順調だね!」
と言いつつ、俺の手を掴んで歩き出す。こんな事はしょっちゅうあるので驚きはしないが、単純に疑問に思ったので聞いてみる。
『…何処行くの、』
俺の歩幅に合わせて歩く悟が此方を向かずに答える。
「ん〜?…学長室!」
俺は家の都合で入学は免除されたため、入学試験はないはずだ。と、それを読み取ったのか、悟が言う。
「学長が面談したいんだってさ。軽〜い奴ね。」
だから緊張しなくていいよ〜、と明るく言われたが、普通学長に会うとなれば誰でも緊張するのでは?と思った。言わないであげた。
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悟に促されて入れば、大量の人形と厳つい男。悟が叱られているのを横目に見ながら、部屋を見渡す。
「…で、ソイツが例の奴か?」
さっきの機嫌が嘘の様になくなり、視線が俺を向く。
「そう!京都校だった所を急いで戻した子です!」
「それは無理矢理と言うんだ、悟。」
激しく学長に同意する。
「私は学長の夜蛾だ。お前が “ 式宮要 ” で合ってるな?」
そう聞かれ頷く。それを見た学長は一旦、人形を作る手を止め、俺をまっすぐに見る。
「…お前に聞きたい。」
「何故、呪術師を目指す?」
『……。』
それが家の定めだから、とか。悟に連れて来られたから、とか他にも色々あった気がするが、その時の俺は、ひとつの答えしか頭になかった。
『…、』
『傑さんを探すためです。』
「…!」
その言葉に、後ろにいた悟が息を呑む。自分でも訳の分からない事を言っているのは知っていた。
「……ソイツを探してどうする?」
呪詛師にでもなるのか?と裏に込められているのを感じた。
『…。』
後ろからの視線を感じながら、あの日の約束を口にする。
『…強くなって、』
『俺が傑さんを祓います。』
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風が吹いて鳴く。そこは安全ではないと、物語っているようだ。
『……俺、言ったよな。強くなりたいって。』
俺には、お前を憎く思うことができないから。それの代わりのように、ひたすらに地面を睨みつける。
『…分かってくれたと思ってた。』
嘘。
ただ自分の弱さを認めたくないだけ。
『俺は…っ』
俺には。
傑さんを殺すことはできない。
「……。」
本当は全部分かってくれてるんだ。それを知ってて、分かってて黙ってくれている。
例え俺がどれだけ強くなったって、
どれだけ偉くなったって、
どれだけ天才になったって。
『どうすればいい…っ?』
最愛の人には敵わないから。
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