テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#幽霊
凛道桜嵐 新
193
#日常
がくじゅつてき・あかげ
22,155
わーい
41
485
やっぱり朝から吐き気が強い。朝食を頑張って口にしたけど、なんだか味が変。味覚障害、本格的になってきたな……。
結局朝食は残してしまい、吐き気止めがきいてるはずの昼食も半分しか食べられなかった。
午後、千歳が狭山さんを連れてお見舞いに来てくれた。
「和泉さん、どうですか? 大丈夫ですか?」
心配そうな狭山さんに、俺は何とか答えた。
「まあ吐き気とか、味が変とかはありますが、何とかやってます」
「そうですか……」
『えっ、もうそんなに副作用あるのか!?』
びっくりする千歳。
「まあちょっとずつね……朝吐き気が強いんだけど、点滴に吐き気止め入れたら多少落ち着くから」
『そっかあ……』
しゅんとする千歳。俺は空気を明るくしたくて、狭山さんにいたずらっぽく言った。
「小説のネタにします? 詳しくレポできますよ」
狭山さんは苦笑した。
「僕の手には余りますよ」
「そうですかあ」
千歳が首を傾げた。
『狭山先生、ネタにできないものってあるのか?』
「そうですね、僕の手に余るものと、あと身近すぎるのとかですね……僕、妹とは普通に仲いいですけど、だからこそ妹キャラとの恋愛系書けないし、あかりさんが身近だから女子高生除霊師ネタも書けません」
「女子高生除霊師、確かに」
俺は思わず吹き出してしまい、千歳も少し笑った。
『小説にぴったりなのに、女子高生除霊師』
「いやー、無理ですねえ」
狭山さんは苦笑しっぱなしだ。
狭山さんはトロピカーナのオレンジジュースを何本かお見舞いに持ってきてくれてて、俺は2人が帰った後にそれを飲んだんだけど、副作用でやっぱり味が変だった。
コメント
1件
寺島あおいです🌷 朝の吐き気や味覚障害の描写、本当にリアルで胸がぎゅっとなりました。そんな中で狭山さんと千歳さんがお見舞いに来てくれて、ちょっとした会話のやりとりでほっこりした空気になったのが印象的です。「女子高生除霊師」で笑いが起きる辺り、狭山さんの人柄が伝わってきて好きでした。 でも最後のオレンジジュース、せっかく持ってきてもらったのに味が変わってる描写が切なかった……。日常の小さな楽しみが奪われていく感覚、丁寧に描かれていて沁みました。