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『8話 202号室』
【202号室前】
七「…」
俺は維月パイセンに言われた202号室前にいた
七「…あの〜」
返事がない
2、3回ノックをしたが、なんの音もしない
仕方ないから、俺はこっそりと入って待つことにした
【202号室】
部屋は薄暗く、本、プリントが散らばっていて、足場が少ない
それになぜだか血生臭い
七「…」
?「あれ?お客さんじゃん、せめて挨拶して入りなよ」
居たのかよ
七「…失礼シマス」
あまり人に敬語を使ったことがないせいか、日本語を覚えたての海外の人みたいになってしまった
?「新人?」
七「…一応」
コイツ…目に一切光がない
話しかけづらい…
?「そうだ、突然なんだけどさ、ゴム持ってない?」
七「…髪ゴム?」
?「やだなぁ、コンドームのことだよ」
七「…」
?「今から女の子と遊びに行くんだ。財布に常にコンドームを持っておくのは当たり前だろ?」
七「…」
?「ただいま」
誰かが帰って来たようで、声が聞こえた
?「お客さん?」
?「ナイスタイミングじゃん、新人ちゃんが遊びに来たんだ」
?「…へぇ」
入って来た男はメガネをかけた男で、少し気弱そうな目をしていた
コイツなら頼めそうだ
?「それで、コンドーム持ってるの?持ってないの?」
その話まだ終わってなかったのか
七「…持ってない」
?「そっか…童貞は持ってないか」
?「…また遊びに行くの?女の子と」
?「あぁ、今回は可愛いんだ。チワワと馬を足して2で割った感じの子」
?「…その表現の仕方はわかんないかな」
七「…」
?「あっ…それで、僕に何か用があったの?」
七「えっと…自己紹介も兼ねて、お願い事をしに…」
?「絶対維月から言われて来ただろ」
?「だろうね…」
?「自己紹介ね…」
仄「俺は仄暗鎖、よろしくね。新人ちゃん」
泉「僕は泉田望だよ、よろしくね」
七「…俺は、七星…よろしく」
仄「先輩には敬語だよ、七星」
泉「まぁまぁ…同い年っぽいし…」
仄「だとしてもだろ、ここでは俺たちが先輩なんだし。それと俺はコイツより年上だ」
泉「それで、お願い事って何?」
七「…初めての仕事について来て欲しくて…」
仄「はぁ?一人で行けよ。女子高校生の連れションのノリかよ」
泉「僕でいいなら付いてくよ」
仄「なら俺も行く。」
泉田望が行くなら付いてくのかよ
七「…ありがとう……ございます」
仄「望の優しさに感謝しろよ」
泉「仕事の日程が決まったら教えてね、予定は調整しておくから…」
七「わかった…」
俺はあまりこの部屋に居たくないから、早歩きで出て行った
【塔葉維月の部屋】
塔「…それで、二人は引き受けてくれたのか?」
七「一応…」
塔「よかったな、仕事の日程は俺から二人に伝えておくよ。」
七「……ちょっと、気になることがあって」
塔「なんだ?」
七「……202号室が異様に血生臭くて…」
塔「…あぁ、言うの忘れてた」
塔「あの二人は拷問官と拷問補佐なんだ」
七「…拷問?」
塔「…俺たちが追っている奴らの情報を掴むために拷問をするんだ」
塔「地下に拷問室があって、そこで情報吐くまで拷問する。それが拷問官」
塔「拷問のための道具を用意したり、死体処理したりするのが、拷問補佐」
七「…へぇ…」
拷問なんてやるのか
七「…泉田って言ってた方が拷問補佐で、仄暗の方が拷問官なんすか?」
塔「…逆だ。」
七「…え?」
塔「泉田が拷問官で、仄暗が拷問補佐」
あんな弱々しい奴が拷問官?
虫にも負けそうなのに…
七「…」
塔「まぁ…初見は間違えるよな…」
七「…」
塔「…仕事、頑張れよ。明日からだから」
そう言うと、維月パイセンは立ち去り
俺は少しの間、唖然としたままその場に突っ立っていた