コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「さあて、本日の首脳会議 Vol.3は!?」
「はあ……やっと呼ばれたわよ。なんでチャラチャラした解説キャラのリオンに先取りさ れるのかしら」
「はーい、まあ想像通りと言うか、意外性の欠片もないリリムさんなんですけど、え、お前解説できんの? 俺、魔法のことマジで全然分からないぞ…………?」
「私をナメてる……? こう見えても、私、学年二位の成績を誇るんですけど」
「で、一位は?」
「………………レオよ。ちょっと! 下から数えた方が早い奴が笑ってんじゃないわよ!!」
「まあ、公式戦が始まったわけですけどー」
「な、なんて自然な導入…………」
「なんか色んな魔法使ってたよなー。新しい属性反応とかも出てきて難しい。本当に」
「そうね、そしたら前回は、職業とかの説明をしていたから、今回は属性の掛け合わせを一覧にするわね」
炎 × 水 = 蒸発(ダメージを上げる)
炎 × 氷 = 溶解(ダメージを上げる)
炎 × 雷 = 過負荷(相手を吹っ飛ばす)
水 × 雷 = 感電(定期的に痺れさせる)
水 × 氷 = 凍結(相手を数秒間凍らせる)
雷 × 氷 = 超伝導(物理防御を下げる)
風 × ○ = 拡散(○の属性を散らばらせる)
草 × 雷 = 激化(超高火力ダメージ)
「取り敢えず話に出てきたのはこんなところかしら?」
「ちょっと待て…………。これだけでもついて行けてないのに、まだあるのか!?」
「そうね、特にルークが異端なだけだけど、草の属性反応はとても複雑だから、その説明だけで首脳会議が終わる可能性があるわね。その時のゲストはルークにしてね」
「確かに……草魔法を使う本人に聞くのが一番分かるとは思うけど……アイツ無口だからなぁ…………。と言うか、平民パーティは合体魔法とか使ってたけど、俺たちの融合魔法とはまた違うのか?」
「そうね。ロジックとしては同じだけど、融合魔法は闇魔法を扱う私にしか出来ないから、説明が少し難しいのだけど、簡単に言えば、上記の属性反応を無視して、例えばグラムの岩防御とリオンの水防御を強引に融合させて強化させた防御魔法にできるわ」
「今更だけど、それ使えば幻花とか、対キラ戦とかも、もう少し優位に立てたんじゃ…………?」
「そこがこれからの私たちの課題! 闇魔法にはどうしても代償が*ある*のよ! 基本的に、味方に対する支援魔法を行えば、味方の魔力を減らしちゃうの。だから、前半戦で凌げても、仲間の魔法が使えなくなるのよ」
「ああ、だから無駄撃ちはできないのか…………。闇魔法で俺の支援もできなくなるもんなぁ。難題だ……」
「で、合体魔法ってのは、上記一覧通りの反応を目的として、自然系魔法を一気に放つことね」
「そこが少し理解が追い付いていないんだけど、属性反応を目的としてるのに、合体させる意味あんのか……?」
「そうね。例えば、属性反応自体は、相手が水に濡れていたり、炎魔法にぶつかってしまうと、“付与” という形で、暫くの間、身体に属性魔法が付けられちゃうの。だから、キラ戦でキラが雷を纏わせず、味方の氷魔力を纏った状態でヒノトに攻撃した時、ヒノトにも氷魔力が “付着” されちゃってたってわけ」
「あー、だから弟のキルの水魔法が当たった時に、凍結反応ってので凍らされちまったのか」
「そう。逆に、氷魔力をキラも纏っていたから、リオンは咄嗟の起点で水魔法を放って、アイツのことも凍り付かせてヒノトへの攻撃を防いだってわけね」
「ほぉ……! 流石リオン! 博識だ!」
「まあ、確かにそこは流石王族なだけあるわね……」
「で、合体魔法にする利点ってなんなんだよ?」
「まず、属性が複数個あれば、シールドを張っていてもシンプルに火力押しで破壊させやすいのと、どんな属性のシールドや魔法を放たれても、どれかが弱点となって相手に確実なダメージを負わせやすいのもあるわ。平民パーティの知恵がここで活かされているわね」
「でも、風紀委員が戦った氷のロングソードマンたちのは合体魔法じゃないんだろ?」
「まあ、合体魔法って言ってもいいくらい同じ目的の攻撃ではあるけど、中には反発し合って、仲間の魔法同士で掻き消しちゃうことがあるのよ。特に、炎は氷を溶かしちゃうし、それを防いでも、水で炎は消えちゃうでしょ?」
「そうか! だから緻密な魔法操作で、ギリギリ当たらないようにして相手にぶつけた瞬間に、合体魔法として完成するってカラクリだな!」
「その通り! まあ属性が何個もある攻撃は合体魔法って呼んでも差し支えないけど、厳密には少しだけやっていることや難易度に差があるって話かな!」
「なるほどな。キルロンド王国が統一国家になった話は、まあリオンの説明で分かったけど、異邦人の国とか、エルフの国とかと仲良くするのってそんな大変なの?」
「生きる場所が違う、生きられる寿命が違う、価値観が違う、生きてきた場所も考え方も全部異なるのに、国の安寧を理由に敵対しないってことは凄く難しいの。だから、リオンのお祖父様は凄く頑張ったんだと思うわよ。と言うかヒノト、異邦人が扱えるって言う “異邦剣術” が使えるなら先に言っておきなさいよ!!」
「いや、使えるとは言っても、俺は魔法使えないし、父さんから少し習ったけど大したことはできないんだよ。対ナギ戦では、リリムの闇魔法、幻花のお陰で通用したけど、やっぱシルフさんみたいには行かないな……」
「待って。シルフさんって、生きた英雄の、あのシルフ・レイスさん? あの人も異邦剣術使いなの?」
「え、王城でレオを倒した時の魔法の使い方見たろ? 自分の剣に魔法を集約させて、普通の剣術じゃあり得ない型の剣撃を出してたから、みんな分かってたのかと……」
「いやいやいや、私たち剣士じゃないから分からないし、そもそも異邦剣術自体、試合中に知ったから!!」
「あー、俺のも父さんの受け売りになるから、ナギとかに聞いた方がいいと思うけど、異邦人はまず “剣” じゃなくて “刀” とか、“斧” とか、なんか変な武器を使うんだよ」
「何それ……聞いたこともないんだけど…………」
「ああ、俺も見たことはないけど、父さんに写真で見せてもらったことがある。変な形だぞ。まあそれもあって、獲物が違えばそれぞれの型、つまりは戦い方が変わるだろ? それに魔法を取り入れて、俺たちの剣術魔法と、異邦人の型を合体させたのが、異邦剣術って言うんだ」
「それ……かなり厄介だと思うのだけど、見極め方って何かあるの…………?」
「ああ、見極めるのは簡単! 魔法剣術は『○○剣』って言ってるのに対し、異邦剣術は『○○』だけなんだ!」
「え…………詠唱だけで判断できるの…………? そんな簡単だとは思わなかった…………」
「まあ、異邦剣術は話を面白くする為だけに取り入れた剣術だからな、属性反応とか魔法の話なのに、そっちまで難しくしてたらキリないってことで、端的且つかっこいい名前にしようってのが、作者の魂胆だな!」
「ちょっと……ヒノト……別人に取り憑かれてない……?」
「まだ闇魔法の代償が残ってんのかな……。まあ、敗退したのは悔しいけど、まだまだ強い奴がいるのは嬉しいことだよな! 俺たちの本当の敵は魔族軍だし!」
「そうね……。あとは見物だけど、やっぱり、レオのパーティ、ソルのパーティ、風紀委員が残ったわね……」
「いやー、草魔法使いのいる絶対君主雷帝パーティ、相手の攻撃を自滅させられる風魔法パーティ、魔族の力と強力な洗脳を掛け合わせた風紀委員パーティ。マジでどこが勝ってもおかしくないよな!?」
「そうね…………。そして、優勝後、誰が選抜されるのかも四幕目の見所ね……。ヒノト! 今回は敗退になっちゃったけど、元王族二人いるパーティと引き分けたんだし、選抜される可能性はまだ残ってるわよ!」
「確かに! 早く結果が楽しみだ! 四幕目も張り切って行こうなー!」