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〇〇side
22:00
我らの事務所、スタートエンターテイメントの会議室を出る。
マネージャー「今日は以上で」
〇〇「お疲れ様です!!」
エレベーターを降りてエントランスへ向かう。
こんな時間でもまだ人がいる。
ガラス扉の向こう。
「あ、〇〇じゃん」
ジェシーの声。
振り向くと、
SixTONESの6人。
北斗、樹、ジェシー、高地、慎太郎、きょも。
〇〇「え、なんでいるの?」
樹「打ち合わせ終わり」
慎太郎「腹減ったー」
きょも「〇〇も今終わり?」
〇〇「うん、今帰るとこ」
北斗「遅くない?」
自然に出る一言。
少し低めの声。
〇〇「北斗もでしょ」
北斗「俺らは集団だから」
樹「いや関係ないだろ」
笑いが起きる。
そのまま立ち話。
慎太郎「このまま帰るの?」
ジェシー「飯行こーよ!」
高地「確かに腹減った」
きょも「〇〇も来る?」
一瞬迷う。
でも。
〇〇「行く!!!」
無邪気に答える。
北斗の視線が一瞬だけ止まる。
――――――――――
店が決まり、タクシーを呼ぶ。
2台。
樹「どう分かれる?」
慎太郎「男3・女1?笑」
〇〇「やだやだ」
きょもが笑う。
きょも「俺と一緒がいい?」
〇〇「うん、きょもと同じタクシーがいい!」
無邪気。
空気が一瞬止まる。
樹「はい出たー」
ジェシー「北斗顔!」
高地「分かりやすい」
北斗「うるさい」
でも表情は変わらない。
樹「じゃあグッとパーな」
全員で円になる。
「グーとパーで分かれましょ!」
出した手。
結果――
〇〇・北斗・樹
きょも・ジェシー・高地・慎太郎
〇〇「えー!」
きょも「残念でしたー」
ジェシー「北斗と同じじゃん」
〇〇「別にいいけど!」
強がり。
北斗は無言。
でも内心は――
(ありがとう神様)
――――――――――
タクシー①
🚕「すみません、今助手席の椅子が不具合なのでうしr」
樹「あ、全然後ろでもいいですよ!」
北斗・〇〇・樹
後部座席に3人。
真ん中が〇〇。
左に北斗、右に樹。
距離、近い。
〇〇「狭っ」
樹「我慢しろ」
タクシーが走り出す。
樹「そういえば映画どうだった?」
不意打ち。
北斗の肩がわずかに動く。
〇〇「めちゃくちゃ良かった」
即答。
〇〇「ラストやばかった」
樹「だよな」
樹、ちらっと北斗を見る。
北斗「……泣いた?」
低い声。
〇〇「泣いた」
即。
北斗「ふーん」
窓の外を見る。
樹「ほらな」
〇〇「ほんとに良かった。悔しいけど」
北斗「悔しいって何」
〇〇「不仲コンビなのにあんな演技されたら悔しいでしょ」
樹が吹き出す。
北斗は少しだけ笑う。
北斗「褒めてんの?」
〇〇「まあね」
タクシーがカーブを曲がる。
軽く揺れる。
〇〇の肩が北斗に当たる。
一瞬、静か。
〇〇「ごめん」
北斗「別に」
声が少し低い。
樹、空気を読む。
樹「俺窓見るわ」
わざとらしい。
〇〇は気づいていない。
北斗は気づいている。
距離が近い。
さっきの“きょもがいい”発言が頭をよぎる。
でも今、隣にいるのは自分。
北斗「……今日、会議だったんだろ」
〇〇「うん」
北斗「お疲れ」
さりげない。
でも少し柔らかい。
〇〇「北斗もね」
目が合う。
ほんの一瞬。
どちらも逸らす。
樹、ニヤつく。
タクシーは夜の街を進む。
三角関係。
まだ誰も壊れていない。
でも。
この“偶然の隣”は、
確実に何かを揺らしている
ーーー🚕
タクシー②
きょも・ジェシー・高地・慎太郎
後部座席にきょも&慎太郎。
前にジェシー&高地。
ドアが閉まった瞬間。
ジェシー「いや面白すぎでしょ」
慎太郎「北斗の顔見た?笑」
高地「完全に固まってたよね」
きょもは小さく笑う。
きょも「〇〇、悪気ゼロだからなあ」
慎太郎「“きょもと同じがいい!”だもんな」
ジェシー「無邪気最強説」
高地「北斗にとっては致命傷」
全員笑う。
タクシーが走り出す。
慎太郎「でもさ、結局北斗と同じ車って」
ジェシー「持ってるよね〜」
きょも、窓の外を見ながらぽつり。
きょも「北斗、嬉しいだろうね」
高地「え、分かる?」
きょも「分かるよ」
少し真面目な声。
きょも「〇〇が隣にいるだけでテンション違うもん」
慎太郎「それな」
ジェシー「でも〇〇全然気づいてないよね」
高地「気づいてたらあんな“きょもがいい”って言えないでしょ」
きょも苦笑い。
きょも「俺も巻き込まれてるけどね」
慎太郎「きょもは安全ポジション」
ジェシー「でもさー」
身を乗り出す。
ジェシー「昨日映画行ってたらしいよ」
高地「え、誰と?」
慎太郎「それ俺も気になってた」
きょも少しだけ考える。
きょも「聞いてない」
でも、少しだけ視線が揺れる。
高地「北斗絶対気にしてるよ」
ジェシー「さっき映画の話出た瞬間、空気変わったもん」
慎太郎「“泣いた?”のトーン低すぎ」
全員笑う。
きょも、静かに言う。
きょも「でもさ」
3人が見る。
きょも「北斗、ああ見えて動き始めてる気する」
高地「え?」
きょも「昨日の試写会の後、スマホずっと見てたし」
慎太郎「うわ」
ジェシー「重」
高地「いや純愛」
また笑い。
でも少しだけ空気が落ち着く。
慎太郎「〇〇はどうなんだろ」
ジェシー「鈍感だよね〜」
きょも「うん、鈍感」
少し優しい声。
きょも「だからこそ、ちゃんと言わないと伝わらない」
高地「北斗言うかな」
ジェシー「言わないでしょ」
慎太郎「でも取られるのは嫌だよ絶対」
きょも、窓の外を見る。
流れる夜景。
きょも「今日のご飯、隣どうなるかな」
ニヤッと笑う。
慎太郎「席シャッフルする?」
ジェシー「荒らす気満々じゃん」
高地「面白くなってきたなー」
タクシーは店へ向かう。
一方の車では静かな火花。
もう一方では、全部分かっている仲間たち。
三角関係。
本人以外、ほぼ察している状態。
――――――――――
タクシー①
〇〇・北斗・樹
タクシーがゆっくり止まる。
運転手「到着です」
樹「はや」
〇〇「もう着いた?」
北斗「近かったな」
3人で降りる。
夜風が少し冷たい。
店の前はまだ静か。
樹「もう一台まだだな」
スマホを見る。
「あと5分くらいだって」
〇〇「じゃあ待つか」
自然に店の前で立つ。
並び順。
樹が少し離れてスマホを触る。
結果的に。
〇〇と北斗、二人が少しだけ近い距離。
沈黙。
さっきのタクシーより静か。
〇〇「今日みんな元気だね」
北斗「夜だからだろ」
〇〇「北斗は?」
北斗「普通」
〇〇「嘘」
少し覗き込む。
北斗の顔を下から見る。
距離、近い。
北斗、目を逸らす。
北斗「……何が」
〇〇「なんか静か」
北斗「元からだろ」
樹、ニヤニヤしながら遠くで見てる。
〇〇「映画の話出たから?」
核心に近いけど、本人は無自覚。
北斗、ほんの一瞬止まる。
北斗「別に」
夜風が吹く。
〇〇、少し腕をさする。
それに気づく北斗。
北斗「寒い?」
〇〇「ちょっと」
次の瞬間。
北斗、自分の上着を軽く〇〇の肩にかける。
自然すぎる動き。
〇〇「え」
北斗「風邪ひくと困る」
〇〇「子供じゃないんだけど」
でも、返さない。
そのまま着る。
樹、小声で。
樹「はいはい」
〇〇「何」
樹「なんでもない」
遠くからタクシーのライトが近づく。
北斗はさりげなく、〇〇の肩の上着を整える。
指が一瞬触れる。
〇〇はそれに深い意味を持たない。
ただ。
少しだけ鼓動が早くなる。
でもそれは、
寒いからだと思っている。
きょも達のタクシーが到着。
中から、
きょも「お待たせー!」
ジェシー「何その距離感!」
慎太郎「北斗の上着!?」
高地「え、もう始まってる?」
〇〇「寒いだけ!」
北斗「うるさい」
でも。
耳が少し赤い。
夜の店前。
全員集合。
まだご飯は始まっていない。
でも。
静かに火花は増えている。
店内。
個室に通される。
テーブルは横並びの長机タイプ。
樹「どう座る?」
慎太郎「自由でよくない?」
ジェシー「いやそれが一番荒れる」
〇〇はまだ北斗の上着を羽織ってる。
それに全員気づいてる。
きょも、にやっと笑う。
きょも「〇〇、どこ座る?」
〇〇「んー」
無意識に北斗の隣を一瞬見る。
でもすぐ逸らす。
〇〇「きょもの隣がいい!!」
北斗、0.5秒固まる。
樹「出た」
ジェシー「無邪気パンチ」
高地「北斗耐えて」
北斗「別に」
声低い。
きょも、立ち上がる。
きょも「じゃあ俺ここねー」
と、座ったのは――
北斗の隣。
結果。
並びはこう。
高地・ジェシー・慎太郎
〇〇・きょも・北斗・樹
〇〇「え?」
きょも「ほら、隣」
〇〇「いやそうだけど」
北斗、きょものさらに隣。
絶妙な距離。
樹、ニヤニヤ。
料理が運ばれる。
会話が始まる。
慎太郎「映画さー!」
ジェシー「ラストやばかったよな」
〇〇「ね!」
身を乗り出す。
その勢いで、きょもに近づく。
きょも「泣いた?」
〇〇「泣いた」
北斗、静かに水を飲む。
きょも、爆弾投下。
きょも「誰と行ったの?」
空気、止まる。
〇〇「え?」
きょも「試写会」
ジェシー、吹き出しそうになる。
樹は完全に観察モード。
〇〇「……友達」
北斗の指がグラスを握る。
きょも「へえ」
あえてそれ以上言わない。
沈黙。
ジェシーが空気を戻そうとする。
ジェシー「北斗感想どうよ?」
北斗「……泣き虫が泣いたなら成功だろ」
〇〇「うるさい!!」
いつものやりとり。
でも。
さっきより少しだけ近い。
きょもが立ち上がる。
きょも「トイレ」
通り道。
〇〇の後ろを通る。
小声で。
きょも「ちゃんと見る人、選びなね」
〇〇「は?」
意味分からない顔。
きょも、何も言わず去る。
北斗はそれを聞いていない。
でも。
空気は確実に揺れている。
ーーーーー
きょもが帰ってきたタイミングで、
〇〇のスマホが震える。
画面。
廉
「何してる?」
北斗の視線が、自然と落ちる。
まだ誰も何も言っていない。
でも。
三角形は、完全に動き始めてる。
料理の湯気。
笑い声。
その中で、〇〇のスマホがもう一度震える。
廉
「終わったら少しだけ電話できる?」
北斗の視線、落ちる。
一瞬だけ。
〇〇は普通の顔でスマホを持つ。
〇〇「ちょっと返信するね!」
慎太郎「どうぞー」
無邪気。
でも目は見てる。
〇〇、打つ。
「今ご飯中!あとで連絡するね」
送信。
既読、ほぼ同時。
廉
「了解。無理しないでね」
北斗の喉がわずかに動く。
樹が気づく。
北斗は何も言わない。
でも。
数秒後。
低い声。
北斗「……友達って」
〇〇「ん?」
北斗、真正面を見たまま。
北斗「廉?」
空気、固まる。
ジェシーの箸が止まる。
慎太郎が目を見開く。
きょも、完全に観察モード。
〇〇「……なんで?」
北斗「なんとなく」
なんとなく、の声じゃない。
〇〇は少し笑う。
〇〇「違うよ」
一拍。
〇〇「友達」
嘘ではない。
でも全部ではない。
北斗の視線、やっと向く。
北斗「へえ」
それだけ。
でも指先が白い。
樹、ニヤつく。
樹「北斗さー」
北斗「何」
樹「気になってんじゃん」
北斗「気にしてない」
即答。
きょも、静かに爆弾。
きょも「じゃあなんで名前出たの?」
沈黙。
北斗は答えない。
代わりに〇〇が口を開く。
〇〇「ほんとに友達だよ」
無意識。
無自覚。
その言葉が一番刺さる。
北斗、笑う。
北斗「ならいい」
全然よくない顔。
その瞬間。
スマホ、また震える。
廉
「声聞きたい」
北斗、今度は隠さない。
視線、まっすぐ画面。
〇〇は気づいていない。
〇〇「……ちょっと席外してくる」
立ち上がる。
北斗の横を通る。
袖が、触れる。
一瞬。
北斗、目を閉じる。
ドアが閉まる。
静まり返る個室。
慎太郎「……修羅場?」
樹「完全に」
きょも、小さく笑う。
きょも「北斗、顔」
北斗「うるさい」
でも。
その目は。
初めて、隠してない。
嫉妬。
――――――――――
廊下。
〇〇、電話をかける。
コール一回。
廉「もしもし」
優しい声。
〇〇「今みんなとご飯」
廉「楽しそう」
〇〇「うん」
少しだけ、無意識に笑う。
それを想像する北斗。
個室の中。
北斗は天井を見ている。
拳を握ったまま。
ーーー
廊下。
店内のざわめきは少し遠い。
〇〇は壁にもたれて、スマホを耳に当てる。
廉「もしもし」
低くて、落ち着いた声。
〇〇「うん」
廉「まだご飯中?」
〇〇「うん。事務所で会ってさ、流れで」
廉「SixTONES?」
〇〇「そう」
少し笑う。
廉「そっか」
一瞬の沈黙。
でも嫌な沈黙じゃない。
廉「昨日の映画楽しかった?」
〇〇「楽しかったよ」
廉「……昨日の余韻、まだある?」
〇〇は少し黙る。
頭の中に浮かぶのは、ラストシーン。
そして。
車の中での、あの静かな空気。
〇〇「ある」
正直に言う。
廉、少しだけ息を吐く。
廉「俺も」
心臓が跳ねる。
〇〇「なんで」
廉「だって一緒に観たから」
まっすぐすぎる。
〇〇「……友達なのに?」
冗談半分。
廉「友達、ね」
少しだけ低くなる声。
廉「〇〇はそれでいいの?」
その問いに、すぐ答えられない。
〇〇「今は」
廉「今は、か」
優しい。
責めない。
廉「無理しなくていいよ」
〇〇「してない」
廉「そっか」
また少し沈黙。
廉「今度さ」
〇〇「ん?」
廉「二人で、ちゃんとどっか行こ」
息が止まる。
〇〇「……考えとく」
完全否定しない。
廉が小さく笑う。
廉「それで十分」
その時。
曲がり角の向こう。
ひそひそ声。
ジェシー「声聞こえね?」
慎太郎「やばくない?」
樹「戻ろうって」
きょも「もう遅い」
北斗は一番後ろ。
何も言わない。
ただ、立ってる。
〇〇は気づかないまま。
廉「そろそろ戻る?」
〇〇「うん」
廉「おやすみ、〇〇」
名前。
柔らかく呼ばれる。
〇〇「おやすみ、廉」
その瞬間。
〇〇が振り向く。
目の前。
固まる6人。
距離、ゼロ。
ジェシー「……」
慎太郎「……」
樹「……」
きょも、にやり。
北斗だけ、真顔。
〇〇「え?」
心臓が止まる。
ジェシー「いやあの、トイレ?」
慎太郎「そうトイレ!」
樹「全員で!!」
沈黙。
廉の通話はもう切れている。
〇〇は一瞬で理解する。
聞かれた。
しかも。
最後。
「おやすみ、廉」
最悪。
〇〇「……聞いてた?」
ジェシー、正直。
ジェシー「ちょっと」
きょも「結構」
樹「がっつり」
北斗は何も言わない。
目だけが、静かに揺れてる。
気まずい。
とてつもなく。
〇〇は小さく息を吸う。
〇〇「個室戻ろ」
歩き出す。
6人も続く。
廊下の空気が重い。
ドアの前で、〇〇が止まる。
振り向く。
〇〇「さっき、友達って言ったけど」
全員、見る。
北斗も。
〇〇「全部、話します」
静かに。
でも逃げない目。
きょもが小さく笑う。
ジェシー「お、きた」
北斗は、まっすぐ見ている。
逃げない覚悟と。
壊れる覚悟。
ドアノブに手をかける〇〇。