捏造、nmmn注意です。
大丈夫だという方だけお進みください
「はぁ゛ーーーー」
さんさんと太陽が輝く8月のとある日に、雲一つない空とは正反対の重いため息がこぼれた。
「どうした」
「ねぇグル氏ぃ、、、」
「なんだ」
机に突っ伏してゾンビのような声を出す彼女は、普段の明るい彼女だとは思えないほどに、どんよりとした空気を纏っていた。
「何かあったんだな」
「ウン、、、、、、、」
「またお気に入りのスイーツが売り切れていたのか?」
「ちがう」
「違うのか。もう分からないな」
「諦めるのが早いよグル氏、もっと探して」
「聞いて貰っている側でそれは何なんだ」
顔をあげた彼女の顔はいかにもふて腐れています、と言うような顔をしていて、
最近ネットでみたフグを思い出し吹き出してしまった。
「失礼じゃない?」
「ンッフ」
「泣いちゃうよわたし」
「なぁ」
「なに」
「相談なら私よりもっと良い人が居るじゃないか、何故私の方に来た?」
彼女には数年前から交際をしている恋人がいる。
付き合って数ヶ月もしていないならまだしも、年単位で付き合って居るのならば、相談なんていくらでもできるだろう。
と、いうことは。
「それは、、」
「トントン関連だな?」
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、ウン」
「珍しいな」
「いや、、、あの、笑わないで聞いてね?」
「保証はできないな」
「ねぇ」
俯いた彼女に深刻さが増す。
重い話だったとしたら申し訳ないとして、一体何だろうか。
浮気?DV?どちらもトントンがしそうではない。あのトントンだぞ。絶対無い。
まさか、別れたのか?
いや、無いだろう、と自分の中で否定をする。あれは6月の下旬辺りだっただろうか。
昼休憩の際にトントンが
「なぁ、グルさん」
「なんだ」
「もうそろそろ、結婚を考えてるんや、、、」
「ほぉー」
「なぁぐるさん話し聞いとる?」
と言っていた気がする。新作のスイーツに夢中であまり聞いていなかったが。
なにを言われるか分からず、身を緊張ですぼめてしまう。
8月の煩い蝉の音と風を強く感じる。
先程の快晴とは打って変わって風が強く、雨も降り始めている。
「あのね」
「あぁ」
「トントンは私のこと好きって思ってるのかなって、、、、、、、、」
「は?」
「だって、好きって告白以来言われて無いんだよ!!!!!!」
「お前、、」
嘘だろ。俺の心配を返せ。
重い話では無いことにほっとしながらも、彼女の口から出た言葉に衝撃が消えない。
何を付き合いたてのカップルのようなことを言っているんだお前は。付き合って数年経っただろ。あいつがお前のことが好きじゃ無いなんてことは有るわけがない。天地がひっくり返っても無いだろ。
「トントンがあまり言わないのを知っているだろ」
「うん」
「嫌いになるか?あいつのこと」
「そんなことない」
「じゃあ言え。お前が頼んだら大体は頷いてくれる」
「いける、かな」
「お前ならいける。頑張ってこい」
「、、、、、なんかグル氏雑くない?」
「そんなことはない」
「、、、、、、、、、、うん、よし、いってくる」
「いってこい」
頬を両手で勢いよく叩き、覚悟を決めた彼女は勢いよく部屋を出て行く。
小さく息を吐き出して、私は書類に目を通し始める。
雨はもう晴れていて、空にははっきりと虹が浮かんでいる。
穏やかな風を感じながら、結婚式には友人代表としてスピーチをさせて貰おうと考えていた。
数時間後
「なぁトントン」
「なんや」
「彼女にはきちんと思いを伝えるほうがいいと思うぞ」
「は、」
「まぁ彼女が他の男に取られてもいいなら別だが」
「なぁグルさん」
「ん?」
「俺、すまんが仕事上がらせてもらうで」
「ん、行ってこい」
「ありがとう」
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