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私を見た途端彼女はホッとするような笑顔で言った
「ああっ!やっと来てくれた、早くこのドレスを脱ぐの手伝ってちょうだい、このパニエ一体何重になってるのかしら 」
「着る時はどうしていたの?」
「三人がかりよ!」
私はおかしくてクスクス笑いながら彼女の着替えを手伝った
そして一通り彼女のドレスを脱がせた後、自分の着替えに入った
フローリングから一段上になっている和室の、和紙の上で私は着物の帯をほどきながら、彼女にお祝いの言葉を言った
「結婚おめでとうあんなに幸せそうな顔をしている兄は見たことないわ」
彼女が微笑んだ
「私の方こそとっても幸せにしてもらってるわ、あなたも今日はホスト役をしてくれてありがとう」
「結婚してうちの家族の一員になるって・・・大変でしょ、うちは特別だから・・・ 」
「あら!私は櫻崎家の人みんな大好きよ、あなたの結婚式の時も俄然はりきっちゃうわ」
私は着物ハンガーに丁寧に振袖をかけた、この振袖は成人式の時に特注でこしらえた、200万はする振袖だった
父の知り合いの(こんなのばっかりだ)呉服屋は、歳を取ったら袖を切って訪問着にして、一生着れると言っていたが、こんなド派手な振袖は、結婚式ぐらいしか着れないだろうと思っていた
花嫁の義姉はドレスを脱いで、白いジャケットとお揃いのパンツスーツに着替え、ベージュのヒールを履いていた、髪は式の時とは変わってカールでおろしている
「さぁ・・・それはどうかしらね」
私も家から着てきたワンピースに着替え、楽屋にあるような両サイドに電球が埋め込まれている大きなドレッサーの前に行った