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憂海歌
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Haru
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心
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「……もうちょっとだけ、こうしてたいです」
そう言って、達宣は祐希の肩に顔を寄せた。
祐希は「うん」とだけ答えて、動かずにいる。
ほんの少し体重を預けられているだけ。 腕が触れて、肩がくっついているだけ。
それなのに、祐希の頭の中はずっとうるさかった。
(……かわいいな)
何度思ったかわからない。
けれど、口に出したら達宣が恥ずかしがって離れてしまうかもしれない。そう思うと、簡単には言えなかった。
しばらくして、達宣が小さく身じろぎした。
「……祐希さん」
「ん?」
「明日も、こうしてていいですか?」
祐希は一瞬、返事を忘れた。
明日も。
こうして。
達宣のほうから、そう言ってくれた。
なんだ言われても、恋人に甘えられるのは嬉しい。
「……もちろん」
できるだけいつも通りの声で答える。
「達宣がそうしたいなら、いつでも」
「……したいです」
返事は、思っていたよりずっと早かった。
達宣自身も、言ってから少し驚いたようだった。けれど、取り消すことはしなかった。
「……祐希さんの隣、落ち着くんで」
祐希は目を伏せた。
ああ、もう。
そんなことを、そんなにまっすぐ言わないでほしい。
うれしくて仕方がないのに、うれしいと伝えすぎたら、達宣を困らせてしまいそうで。
「……そっか」
結局、出てきたのはそれだけだった。
達宣が顔を上げる。
「……それだけですか?」
「え?」
「いや、なんか……もうちょっと、こう……」
言いかけて、達宣は口を閉じた。
自分でも何を期待していたのかわからない。 ただ、祐希なら何か言ってくれるような気がしたのだ。
祐希はそんな達宣を見て、少しだけ笑った。
「……俺も、たつのりが隣にいると落ち着くよ」
達宣の耳が、みるみる赤くなった。
「……っ、そういうの、急に言わないでください」
「たつのりが聞きたそうだったから」
「聞きたそうとかじゃ……!」
「違った?」
「……違わない、ですけど」
最後のほうは、ほとんど聞こえなかった。
祐希は笑いをこらえながら、達宣の手にそっと触れた。
「手、つないでもいい?」
達宣は一度その手を見て、それから祐希を見た。
「……つないでいいですよ」
「ほんとに?」
「……いいです」
祐希が手を握ると、達宣も少しだけ握り返した。
それがうれしくて、祐希はもう一度、指先に力を込める。
すると達宣が、つないだ手を見つめながらぽつりと言った。
「……明日も、俺から隣に行きますね」
「うん」
「祐希さんが誰かと話してても、行きます」
「……うん」
「だから、待っててほしい、です」
祐希は今度こそ、すぐには答えられなかった。
そんな約束をされる日が来るなんて、思っていなかった。
やがて、達宣の手を握ったまま、静かに笑う。
「……待ってる」
その声があまりにも優しかったから。
達宣はまた、祐希の肩に顔を寄せた。
「……じゃあ、今日はもうちょっとだけ、ここにいます」
「うん。好きなだけいていいよ」
明日も、隣にいていい。
明日も、自分から会いに行っていい。
そんな小さな約束が、達宣にはたまらなくうれしかった。
そして祐希は、明日になったら本当に達宣が自分の隣に来てくれることを想像して、ひとり静かに幸せをかみしめていた。
——明日もきっと、今日より少しだけ近くなる。
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作者のHaruです。
14×5、一応これにて完結です!ありがとございました。
烏滸がましいんですけど、リクエストもらえたらジャンジャン貯めて、毎日2話投稿続けていきたいと思います!
明日は、デート編を投稿したいと思います!
今後ともよろしくお願いします🙇
コメント
4件
ピュアなまんま終わったお話で凄く心が温まりました。めちゃめちゃ勉強になりました✨ 色々な短編も楽しみにしています。リクエストが叶うの5ら、14×5のファーストキスをみたいなぁなんて思ったりしています。地雷だったらすみません😓 次のお話も楽しみにしています🍀
めっちゃ2人尊いまま完結でほんとに読んでてニヤついちゃいましたああ😇😇よろしければ2人の初めての夜見てみたいなって思ってしまって、、🙃🙃番外編すぎるかもしれないですけどまっじでネタ無くなった時にでもお願いしたいです🙏🏻🙏🏻あと個人的に5×12もめっちゃ好きです。。(?)