TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

若き覇王に、甘くときめく恋を

一覧ページ

「若き覇王に、甘くときめく恋を」のメインビジュアル

若き覇王に、甘くときめく恋を

179 - 第五章 彼と共に育む、真愛の形 EP.2「幸せな暮らしに落ちる、不穏な影…」②

♥

3

2025年05月28日

シェアするシェアする
報告する


──菜子さんに話したように、貴仁さんとの生活はあまりに幸せすぎたから、実際私も何も問題など起こるはずもなくてと考えていた。


けれどその時は、突然に降りかかった──。



お酒の席で指輪が話題に上がっていたこともあって、ふと彼の指に目をやった私は、そこにマリッジリングがないこと気づいて、


「貴仁さん、指輪は?」


と、何気なく尋ねた。


「……うん?」と、自らの左手の薬指を見やった彼が、「……嵌まってないな」と、ポツリと呟く。


「どこかで外されたんですか?」


「そうだな……、外すとしたら、顔を洗う時くらいだが……」


考え込むように口にした後に、彼は室内のバスルーム続きの洗面所を見に行ったが、


「ないようだ……」


と、落胆した顔つきで戻って来た。


「……どこに行っちゃったんでしょう?」


身近に思い当たる場所にはないことがわかると、途端に不安に駆られるのを感じた──。


「部屋の掃除の時になかったか、源じいに尋ねてみようか」


「はい……」と不安を隠せないまま頷いて、貴仁さんと連れ立って源治さんのところへ訊きに行った。


「……結婚指輪ですか。いえ私は、見ておりませんが。部屋の掃除に入った他の者にも聞いてみましょうか?」


「ああ、頼んだ」


彼が短く返して、「……すまないな」と、立ちすくむ私の手をギュッと握った。


「ああいえ……すまないだなんて」


私自身の胸騒ぎが彼にも伝わってしまっていたことを汲んで、なるべく感情を表には出さないよう笑みを浮かべて応えた。

loading

この作品はいかがでしたか?

3

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚