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ヒロくんが元の姿に戻ったものの、高熱にうなされている状況に、シェアハウスには再び緊張が走った。ショタ化は解除されたが、病弱な体質は元の姿に戻った後も続いているらしい。しかし、以前とは違い、彼らはもうこの異常な現象の原因を知っている。
高熱でうなされるヒロくんの看病は、主にるなちゃんが担当した。ぐったりと横たわるヒロくんの額に冷たいタオルを乗せ、熱を測り、こまめに体を拭いてあげる。普段の元気なヒロくんからは想像もつかないほど弱っている姿に、るなちゃんの顔には心配の色が濃く浮かんでいた。
そんなるなちゃんを支えたのは、どぬだった。
「るなちゃん、氷、持ってきたよ」
元の姿に戻ったどぬは、大人組に混ざってテキパキと動いた。氷嚢を用意したり、ヒロくんが飲めるようにゼリーを潰したりと、細やかな気配りを見せる。ショタ化していた間、ヒロくんと特に仲が良かったどぬは、誰よりもヒロくんの回復を願っていた。
「ヒロくん、頑張って…」
どぬは、ヒロくんの汗ばんだ額をそっと拭きながら、優しく声をかける。ヒロくんも、意識が朦朧としながらも、どぬの声が聞こえているのか、微かに反応するように手を動かした。
るなちゃんは、そんなどぬの優しさに何度も救われた。一人で抱え込みがちな性格のるなちゃんにとって、どぬのサポートは心強いものだった。二人は互いに協力し合い、夜通しヒロくんのそばに寄り添った。
数日後、ヒロくんの高熱もようやく平熱まで下がった。まだ少しだるそうではあるが、いつもの笑顔が戻ってきた。
「みんな…ありがとう…」
ベッドの上で、ヒロくんはか細い声で感謝を述べた。そんなヒロくんを、メンバー全員が温かい眼差しで見つめる。ショタロリ化は本当に解除されたのだ。
今回の夏休みは、からぴちメンバーにとって忘れられないものとなった。
「今回の夏休みは、まさに伝説の夏休みだったな!」
じゃっぴが笑顔で言うと、全員が深く頷いた。
彼らは、この夏、多くのことを経験した。突然のショタ化とロリ化、度重なる体調不良、そして何より、仲間との絆の深まり。不安や混乱、疲労もあったけれど、その全てを乗り越え、彼らはより一層、強い絆で結ばれた。
この経験は、彼らがこれから活動していく上で、大きな糧となるだろう。いつか、この夏の出来事を笑い話にできる日が来ることを信じて、彼らは新たな一歩を踏み出すのだった。